東京オリンピック(五輪)男子50キロ競歩日本代表に内定していた鈴木雄介(33=富士通)の代表辞退が22日に発表された。20キロの世界記録保持者であり、50キロでも世界を制した実力者は、これまで紆余(うよ)曲折の競技人生を歩んできた。

 

◆15年3月 全日本競歩能美大会で、20キロを1時間16分36秒の世界新記録を樹立する。現在も日本男女唯一の世界記録保持者。

◆15年8月 恥骨付近を痛めながらも世界選手権北京大会に強行出場し、11キロ付近で棄権。体のバランスを崩し、グロインペイン症候群を発症。2年9カ月の間、実戦から遠ざかる。

◆16年3月 回復の兆しが見られず、同年のリオデジャネイロ五輪の予選会出場を断念。治療もうまくいかず、「自暴自棄」になる期間に入る。

◆17年10月 強化費の不適切申請で半年間の出場資格停止処分に。

◆18年5月 東日本実業団選手権の5000メートル競歩で2年9カ月ぶりの復帰。

◆19年4月 事実上の50キロ初挑戦となった日本選手権で3時間39分7秒の日本新記録をマーク。

◆19年9月 過去4度の20キロと違い、初の50キロでの出場となった世界選手権で金メダル。東京五輪出場が内定する。

◆20年3月 コロナ禍で予定されていた大会が中止となり、急きょ参戦した全日本競歩能美大会では3位。 

◆20年8月 慢性的疲労感から練習を積めず、病院で検査を受けたことを明かす。

◆21年春 練習を再開したものの、高負荷トレーニングはできない状態が続く。

◆21年6月 東京五輪の内定を辞退する。