東京五輪で金メダル獲得を目指す侍ジャパンの稲葉篤紀監督(48)が16日、都内のホテルで会見し、代表に内定した24選手を発表した。

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4年間、考えに考え抜いた24人の名前を読み上げた。稲葉監督が五輪で金メダルを勝ち取るための最適解だ。緊張感からか、捕手を飛ばして読み上げてしまい、会見の最後に読み直すハプニングもあった。「東京五輪本番で勝つためにこのメンバー、状態を含めて選んだ。最適な組み合わせだと私は思っている」。信念を持って決断した。

この日、登録抹消された菅野や2軍降格期間のあった岩崎、コロナ感染した源田ら本調子ではない選手もいる。五輪初戦まで残り1カ月半を切った。「私がこの選手と五輪を戦いたいと強い思いを持った選手たちなので信じて五輪を迎えていきたい」と復調を待つ。

実体験もある。現役で出場した08年北京五輪。選出前に臀部(でんぶ)を故障していた。「星野監督から電話があって『出たいのか、出たくないのかどっちや?』と聞かれて『出たいです』と返事したのを今でも覚えている。選ばれたからには正直ケガしてもいいかなという覚悟、そこにささげる思いは持って出場した」と振り返る。

5連勝で金メダル、進展次第では5勝3敗でも優勝という変則方式の中で、選手のパズルを組み合わせた。プレミア12では周東というスペシャリストをフル活用したが、今五輪の最適解には選択しなかった。「24人の枠の中で大変暑い中でやることも含めて、スペシャリストを集められるかは議論にもなった。このメンバーでプレミア12のスペシャリストの部分は補っていける」と柔軟性をみせた。

苦悩の選考を終え、7月中旬の集合を待つ。「このメンバーで金メダルを取る」。いざ出陣だ。【広重竜太郎】

○…稲葉監督は会沢の負傷に「球団関係者からの報告を待っている。話を聞いてからどうするか決めていきたい」と話した。プレミア12では最後は主戦捕手に格上げし、全幅の信頼を置いていただけに心配そうだった。長期離脱となれば阪神梅野が有力な代役候補となりそうだ。

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