東京オリンピック(五輪)の開幕まで1カ月となった23日、独占放映権を持つ米NBCテレビが五輪史上最多となる120社を超える広告主と契約を結んだことが明らかになった。

2016年リオデジャネイロ大会は視聴者数が20%近く減少したにも関わらず、NBCは2億5000万ドル(約275億円)の利益を得ており、米コムキャスト傘下のNBCユニバーサルによると東京五輪はこれまでで最も高い収益性となる可能性があるという。広告主にとって五輪の人気は依然として高く、今大会でも80社以上が新規の広告主だと明かしている。

NBCは今回の東京大会で、全米向けの放送時間を過去最長となる7000時間にすることを発表しており、広告収入も大会の延期が決まる前の昨年3月時点でリオデジャネイロ大会の12億ドルを上回る12億5000万ドルをすでに超えていることを明かしていた。NBCは過去最高となる76億5000万ドルで2022年開催の冬季大会から32年夏季大会までの独占放送権を延長する契約をIOCと結んでいる。

今大会では、体操や男子バスケットボール米国代表チームの試合など一部の人気競技を昨年立ち上げた動画配信サービス「ピーコック」で配信する方針も発表。ジェフ・シェルCEOは、米国の視聴者は新型コロナウイルスによるパンデミック後、スポーツや明るい話題を切望していると語り、「世界的なトラウマから全世界が脱しつつあり、五輪は誰もがそうしたトラウマを忘れ、画面で見たものを一緒に集って祝う機会だ」とコメントしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)