東京五輪の聖火リレーは26日、山梨県1日目を迎え、南部町から甲府市までの10区間12市町を巡った。

市川三郷町では、「スポーツ鬼ごっこ」で全国制覇を果たし、MVPにも輝いた経験がある小池彩華(いろは)さん(14)がランナーを務めた。培った“鬼脚”を武器に、約200メートルを笑顔で走り、最後はウサイン・ボルトのポーズでトーチキス。「短い距離と思うけれど、自分では長く感じた。学校の先生や友達も手を振ってくれたり拍手をしてくれたりして、楽しくてうれしかったです。トーチは重かったし、手が震えました」。学校の部活動では野球部に所属し、地域のクラブではスポーツ鬼ごっこのほか、サッカーや陸上競技で活躍中だ。「すべて自分が好きで始めた。オリンピックでは花形と言われる100メートル決勝が一番好きです。日本人選手にも上位を狙って、9秒台の日本記録を塗り替えてほしい」。前日25日の陸上日本選手権男子100メートルで優勝し、東京五輪切符を得た多田修平(25=住友電工)らの躍進に期待を寄せた。

スポーツ鬼ごっこは、従来の遊びの鬼ごっこに戦術や戦略を必要とするルールを加えた競技。運動能力に関係なく、子どもたちのコミュニケーション能力やチームワーク向上、想像力や創造力を養う目的もあり、現在は老若男女に親しまれている。試合時間は前後半各5分でハーフタイムは2分間。出場は7人制。「今後はオリンピックのボランティアにも参加したいが、オリンピックに選手としても出たい。スポーツ鬼ごっこがオリンピック種目になることも夢です」と新たな決意を示した。

◆26日の聖火リレー 山梨県1日目は南アルプスや八ケ岳などの豊かな自然の中、南部町から甲府市まで10区間12市町をつないだ。富士川町では12年ロンドン五輪陸上女子400メートルリレー出場の佐野夢加さん、甲府市では15年にノーベル生理学・医学賞受賞の大村智さんが走った。27日は64年東京五輪の聖火ランナーと98年長野五輪の聖火リレー併走に加え、夏冬通算3度目の聖火リレーに臨む落語家の三遊亭小遊三、プロレスラー武藤敬司、スピードスケートで冬季五輪5大会連続出場の岡崎朋美さんらが登場する。