カナダ柔道連盟は8日、東京オリンピック(五輪)女子57キロ級代表に世界女王のジェシカ・クリムカイト(24)が決定したと発表した。

公式ホームページで世界選手権(ブダペスト)57キロ級が実施された大会第3日が終了し、「サスペンスが終わった」と伝えた。新世界女王となったクリムカイトは「余韻に浸るのは時間がかかるが、クレイジーな1日だった。五輪に出場するカナダ人が誰であろうとメダルは取れるだろう。長い旅(=代表選考)だったが最高のアスリートになることができた」などとコメントした。

カナダでは長野県出身で19年世界女王の出口クリスタ(25=日本生命)と世界ランキング2位のクリムカイトがここ数年、激しい五輪代表争いを繰り広げていた。当初は5月に直接対決「3本勝負」で代表を決める予定だったが、コロナ禍の影響でカナダ連盟が規定を見直し、今大会の成績上位者を代表に選出する方針を定めた。同じ成績の場合は、過去の実績や直接対決の結果が選考基準となり、クリムカイトに6勝0敗の出口が有利な状況だった。

出口は準決勝で19年ワールドマスターズ大会銀メダルの玉置桃(26=三井住友海上)に敗れ、3位決定戦も敗退してメダルを逃した。この2試合は延長戦に突入し、計13分超の激闘となった。準決勝敗退後にクリムカイトが決勝進出を決めたため「精神的、肉体的にもボロボロだった。ベストは尽くしたが(状態は)十分でなかった」とコメントしている。

日本勢は玉置が準優勝、男子73キロ級で17年覇者の橋本壮市(29=パーク24)が3位だった。