東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの延期を受け、大会組織委員会の中に「東京2020大会実施再スタート本部(仮称)」が26日に発足し、東京・晴海で第1回会合が行われた。

延期に伴う諸問題の解決を目指し、随時開かれるもので、組織委の森喜朗会長(82)が冒頭あいさつ。遠藤利明会長代行(70)をはじめ、集まった組織委の幹部級30人を前に「かつてない挑戦。それを果敢にしていきたい。新型コロナウイルスをクリアする突破口となる大会にしよう」と訓示した。

本部長となる武藤敏郎事務総長(76)も続いてマイクを握り、近代五輪124年の歴史で初の延期に「誰も経験したことのない試練で、これまでも試練を乗り越えてきたが、正直ここまでは予想していなかった」と驚きを共有。会場の再確保や数千件に上る契約の確認、宿泊、輸送、警備、ボランティア、チケット、そして「できるだけ早く決めたい」と話す新日程など次々と課題を挙げた。職員も現在の「オペレーショナル・フェーズ」から約1年前の「レディネス・フェーズ」に現場によっては戻す必要性を口にし、理解を求めた。

武藤事務総長は締めくくりに「IOC(国際オリンピック)から東京2020組織委の活躍ぶりは『オリンピック・レコードだ』と評価していただいている。今回の再スタートでもレコードを作ろうじゃありませんか。難しい名前の本部の初回となるが、ワンチームでやっていこう。時間との勝負だ」と呼び掛けた。

この開始10分間が報道陣に公開され、その後は非公開で質疑応答に入った。今後は随時、出席できるメンバーで会議を重ねていく。【木下淳】