東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が23日、インターネット会見を開いた。

3月24日に大会の延期が決まってから約1カ月。質疑応答では、まず追加費用の負担を国際オリンピック委員会(IOC)にも求めるか聞かれ「先週(16日)のエグゼクティブ・プロジェクト・レビュー(幹部事務折衝)で話し合い、共同ステートメント(声明)を出した通り。そこにあるように、延期に伴う費用負担や延期がもたらす影響については、引き続き、組織委とIOCで評価と議論を行っていく」との姿勢を貫いた。

追加費用の見積もりや負担の割合についても「どれぐらいのコストがかかるのか、現時点では明らかになっていない。誰が、どのくらい払うかも議論されていない。まだ追加費用、負担が決まっていない、積算されていない」と強調し「いずれにしても、そのような議論をする段階になった時には、日本の納税者の方々に対して透明性のある説明が必要だ」と述べた。

その後は開催時期に関する質問が集中。「新型コロナウイルスの影響で大会が21年に開催できない場合、22年に延期するプランBはないのか」「再延期できない場合は中止となる可能性があるのか」などの質問を浴びた。これには「感染状況の進展、いつ終息するのか誰も断言できない」と答え「来年の7月まで時間はある。日本、世界中がコロナを克服するために努力している。功を奏すると信じている」と続けた。

組織委の森喜朗会長が、安倍首相に2年後への延期を提案し、安倍首相が1年後に決めた、とされている経緯について再び聞かれると「森会長と安倍総理の間で、どのような会話があったのか。私は存じ上げない」と強調。その上で「安倍総理のその後の記者会見などから、2年延期となると東京2020大会の性格が変わってしまうのではないか。アスリートの立場、準備を考えれば1年の方がいいのではないか(と首相は考えた)。結果、来年の7月23日に開幕することが確定した。大会成功のためベストの努力をしていく。来年の7月から9月にかけて五輪・パラリンピックが開催されることは決まっている。そこに向けて、しっかりと着実に準備を進めていくのが我々の立場でありスタンス」と、かわした。