東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)国際パラリンピック委員会(IPC)が3日、都内とオンラインで合同会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大予防の規則をまとめた「プレーブック(ルールブック)」の初版を公表した。

プレーブックには、来日前、滞在中、帰国時の基本的な行動ルールが記されている。昨年12月にまとめられた新型コロナウイルス対策調整会議の中間整理を基に、組織委、IOC、IPCが世界保健機関(WHO)や第三者である世界中の専門家や機関からの助言、コロナ禍の中で開催された国際的スポーツイベントを参考に作成された。IOCによると、初めての作成という。

今回は各国際競技団体(IF)とテクニカルオフィシャル(審判、技術役員)向け。放送関係者とプレス向けは4日、選手とチーム役員向けは9日に公表される。関係各所に対する説明会も行われる。

行程は入国14日前から始まり、出国前と入国時に検査をすること、アスリートは原則4日ごと(96時間ごと)にPCR等の検査を受けること、大会期間中は2種類のスマートフォン用アプリを使用して健康モニタリング、接触状況の把握をし、さかのぼって行動確認を行うこと、などが示された。IF向けでは公共交通機関の使用、買い物など観光や外食などの禁止も明記された。歌ったり叫んだりせず、拍手で応援することも求められている。

繰り返し、もしくは深刻な違反があった場合は大会参加資格が取り消される可能性がある、とも書かれている。ただし、現時点ではルールを破った場合の明確な罰則と基準は示されず、スイス・ローザンヌから参加したクリストフ・デュビ五輪統括部長は「時期尚早だ。各大会には懲戒委員会があるので、そこで話し合われると思うが、予測では答えられない。それより、このプレーブックは分かりやすくまとめられているので、読めば守ってくれるはずだ」と答えた。

陽性者の特定や隔離、感染の疑いがある場合の対応も盛り込んだが、具体策については4月に更新予定の第2版を見据え、IFと調整していく。4月以降に予定している五輪のテスト大会を、第2版に則って開催したい方針も示された。第3版は6月になる見通しという。

東京会場に出席した中村英正ゲームズ・デリバリー・オフィサー(GDO=大会開催統括)は「まずは安全安心を最優先に、五輪を変えていく必要がある。中間整理の内容を選手や関係者にも分かりやすく。IOCとIPCも含めた3者で出せたことが大きい」とし「今後、都民や日本国民の皆さまに丁寧な説明をしていくことを、取り組みをお示しすることが最も重要と考えている」と強調した。【木下淳】