東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は17日、辞任を表明した森喜朗会長(83)の後任を選ぶ「候補者検討委員会」の第2回会合を都内で開催した。

検討委員8人が具体名を挙げて協議し、夏冬7度の大会出場を誇る橋本聖子五輪相(56)に就任要請する方針をまとめた。ところが、かねて難色を示していた本人の説得に難航。18日に第3回の会合を開くことを余儀なくされた。

   ◇   ◇   ◇

波乱続きだった次期会長選出の流れは、やはり一筋縄ではいかなそうだ。組織委が、御手洗冨士夫名誉会長や山下氏ら8人で設置した検討委。都内ホテルで約1時間半にわたって行った第2回の会合で、就任要請する候補を橋本氏で一本化した。受諾すれば、新会長に内定。臨時評議員会で理事に任命され、理事会で互選されれば、新たな組織委の顔になる流れだ。

その実行のため、検討委の座長を務める御手洗氏が就任要請へ。しかし、午後5時すぎに組織委が発表したリリースの内容は、18日に第3回の会合を開く旨の通知だった。承認の場であるはずの理事会開催ではなく、選考の延長を意味するともとれる第3回の実施。関係者によると、かねて就任に難色を示していた橋本氏の「説得」が難航しているという。

国務大臣規範(兼職禁止)で、橋本氏が組織委の会長に就く場合は五輪相を辞する必要がある。さらに、政治的な中立性を守るため自民党を離党。比例代表選出のため、参院議員の辞職にまで至る可能性がある。さまざまな障壁、事情を勘案した結果、橋本氏は水面下での打診に対して固辞する意向を固めていたとみられる。

一方、検討委としてはベストの候補者を選ぶ。16日の初回会合では、新会長に求める5つの資質を策定。国内随一の夏冬7度の五輪出場に、19年からは五輪相として国際オリンピック委員会(IOC)との調整や大会準備に尽力。男女共同参画、多様性に関する見識が合致し、橋本氏が後任にふさわしいと判断した。

女性蔑視問題で森会長が辞任表明した経緯もあり、次は女性という期待も高まっていた。森氏が日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏を後継指名し、透明性のなさも批判された。その中で推されたのが橋本氏。自身の後ろ向きな思いが漏れ伝わりながらも候補に一本化された。それでも意志が固く、検討委は善後策を協議する必要に迫られた。橋本氏の対応も含めて、今後の展開が注目されている。