丸川珠代五輪相(50)が12日、閣議後会見で、IOC(国際オリンピック委員会)トーマス・バッハ会長が中国オリンピック委員会から、東京五輪参加者に新型コロナウイルスのワクチン提供の申し出があったと発言したことに触れ「事前に伺っておりません。調整もありませんでした」と、情報交換がなかったと強調した。

丸川氏は「中国のワクチンが承認された国においての供給について触れられているとの認識です。承認された国においてご判断されること」とし、中国のワクチンが承認されていない日本は無関係と示唆した。さらに「いずれにおいても、この大会はワクチンを接種しなくても安心して大会に参加していただくための総合的な感染症対策を取る」と前置きした上で「ワクチンの接種を前提としない原則は変えません」と断言した。

また、IOC、大会組織委員会、東京都、政府ら5者協議で東京大会の観客上限判断時期について4月に判断すると合意したにもかかわらず、バッハ会長が5、6月の状況を反映できるようにと発言したことにも言及した。「私どももその(4月に判断と合意)認識で、バッハ会長がどういう趣旨でおっしゃったのかあらためてよく伺ってみないと分からないと思います」と戸惑いもにじませた。

また、菅義偉首相が11日に行われた東日本大震災10周年追悼式の式辞で、「復興五輪」としての東京大会について一切触れなかったことについては「式辞の文言のコメントについて、私が何か申し上げる立場にないと思っています」とした。また「私自身が突然大臣に就任することになって官邸に伺った時、総理が最初におっしゃったのが『全員が復興大臣です』でした。総理の心の中には大変強く復興への思いがおありになると思います」との認識も示した。