東京五輪・パラリンピックの開催中止を求める声が強まる中、緊急事態宣言が今月末まで延長されたことで開催がより一層厳しくなったと米メディアが報じた。

CNNテレビは医師や看護師らコロナ患者に接する医療従事者の医療体制が逼迫(ひっぱく)する中での開催を不安視する声を紹介。日本のワクチン接種率は先進国の中で最低の1%未満である中で、五輪開催が進められていると報じた。また、開催中止を求めるオンライン署名が開始から2日ほどで20万筆を超え、多くの国民が中止を求めているが、組織委員会は予定通り開催すると繰り返し述べていることも伝えている。

また、USAトゥデイ紙は、大型連休が終わって再び通勤ラッシュが始まり、酒類提供禁止で不満がたまる若者たちは路上で飲酒し、IOCのバッハ会長の来日に反対する抗議デモも計画されていたと日本の現状を伝え、世界の中でもワクチン接種が最も遅れている日本では社会的にも政治的にも緊張が漂っているとし、11週間後の五輪開催に疑問を呈している。

五輪開催を巡っては、ワシントン・ポスト紙も5日のコラムでバッハ会長を「ぼったくり男爵」と呼び、日本政府に対して五輪を中止するよう促す記事を掲載している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)