国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長(71=オーストラリア)が15日朝、シドニー発の航空機で東京・羽田空港に到着した。入国前の抗原検査をへて午前7時36分に都内ホテルへ入った。IOC委員で日本オリンピック委員会(JOC)会長の山下泰裕氏らが、一定の距離を保った上で出迎えた。

コーツ氏は東京オリンピック(五輪)の準備状況を監督する調整委員会の委員長として、このまま日本に滞在して7月23日の開幕まで大会組織委員会とともに最終的な準備に当たる。

組織委関係者によると、コーツ氏は到着翌日から3日間は隔離生活を送る。4日目から11日間は五輪特例措置で待機が緩和され、専用車両による移動や、事前に用務先を記した活動計画書の行程を守る条件付きで活動できるようになる。

その用務先には都内の組織委オフィスも含まれているが、可能な限りリモートを活用して大会期間中のコロナ対策などの最終確認をするという。

コーツ氏は5月の調整委員会で、五輪期間中に緊急事態宣言が出ていても大会を開催するか聞かれ「答えはイエスだ」と答えて物議を醸していた。

この後、アレックス・ギラディ副委員長、クリストフ・デュビ五輪統括部長も来日する見通し。夜には、大会期間中の新型コロナウイルス対策と行動ルール等を定めた「プレーブック」第3版が公表される。

IOCのトーマス・バッハ会長は6月中の来日を見送り、東京で開かれる理事会と総会前の7月中旬に入国する予定となっている。【木下淳】