開幕が約2週間後に迫る東京五輪の観戦チケットを巡り、上限1万人を超える一部の大規模会場が現行基準でも無観客とならず、同5000人まで入場できるようになる可能性が出てきたことが6日、分かった。

東京都などに出ている「まん延防止等重点措置」が解除された場合「収容定員の50%以内で1万人」とされていた会場の上限は、重点措置が延長されれば5000人になる。その際、販売済みチケットの再抽選システムを1万人から5000人に再設定することは技術的に不可能とされていたが、大会関係者が「可能になった」と明らかにした。

これまで組織委が政府にも「5000人は対応不可能」と報告していたシステムが生きれば、無観客が避けられない見通しだった国立競技場での開閉会式や野球、サッカーなどの大規模会場は5000人までの有観客になる。既に50%かつ5000人以内に収まっている小中規模の会場は、今のまま生かしたい考えだ。

ただし、上限5000人にプログラムを再設定するには一定の時間がかかる。関係者は「直前にはなってしまうが、開幕の1週間前から5日前くらいであれば間に合うかもしれない」と説明。今週、政府が示す基準次第でもあり、組織委が政府や国際オリンピック委員会(IOC)などと8日か9日にも開く5者協議で「上限5000人」案の可否を話し合うことになる。

一方、バスケットボールの午後9時開始が11試合ある「さいたまスーパーアリーナ」など、同時刻スタートの夜間セッション(時間帯)がある首都圏の一部会場は無観客となる方向だ。

感染状況を踏まえ、全会場を一律に無観客とする案も選択肢としては残る。組織委は上限1万人に絞り込む再抽選の結果通知を6日未明としていたが、10日未明に延期。そこまでに観客数上限を示す必要がある。