【ベルリン=山本幸史】日本が、初の女子ケイリンオリンピック(五輪)出場枠「1」を獲得した。小林優香(26)と太田りゆ(25=ともに日本競輪選手会)は1回戦、敗者復活戦ともに敗れたが、五輪ポイントで出場枠を死守。日本が生んだ世界のスポーツに、男女そろっての出場が決まった。

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敗者復活戦での小林、太田の敗退が決まったが、これまでの五輪ポイントの貯金で出場枠は死守した。

ただ、チームは沈んでいた。メダルが欲しかった。小林の目から涙があふれた。レースが終わって3時間がたっても、レーシングスーツのまま「勝てる脚があったのに、勝てなかった悔しさがあるので…」と声を絞り出した。1回戦で敗れ、4人中2人が勝ち上がれる敗者復活戦。残り2周で仕掛けを迷うと、そのままなすすべなくゴールに流れ込んだ。今季W杯銅メダルも獲得し、最も自信のある種目で力を出し切れなかった。太田も「今思うのは、自分で自分を信じ切れていなかった」と涙した。

スプリントの出場枠が取れなかったため、短距離女子の代表は1人に絞られる。小林は「W杯で勝てても、世界選手権では少しのミスでも勝てない。五輪では迷いをなくすことを考えたい」と話す。太田は「五輪は分からない」とした上で「1回休んで、もう1回やりたいと思うかどうか。でも(五輪は)私の夢なので…」と天をあおいだ。

ケイリンが競技としての誕生してから40年、シドニー五輪で採用されて20年。“生まれ故郷”の東京五輪に男女そろっての出場で金メダル取りに挑む。

▽女子ケイリン(1)ヒンツェ(ドイツ)(2)リ・ヘジン(韓国)(3)モートン(オーストラリア)(19)小林優香、太田りゆ