新型コロナウイルス感染拡大で東京オリンピック(五輪)は1年延期となった。選手が来夏の祭典で獲得を目指す五輪メダル。各競技でどのような歴史が刻まれてきたのか。「日本の初メダル」をひもとく。

   ◇   ◇   ◇

射撃の日本勢初メダルは60年ローマ五輪になる。フリーピストル60発で吉川貴久が銅メダルを獲得した。吉川は福岡県警時代に23歳で出場。58年世界王者のウマロフ(ソ連)と552点で並び、シュートオフの末に惜敗したが、初メダルの快挙となった。

続く東京大会でも、吉川は自国開催の重圧と期待を背負いながら、再び表彰台に立った。序盤は苦しんだが、終盤に復調し554点。ガレー(ドイツ)と並んだが10点圏の命中数差で2大会連続3位に入った。現在まで射撃で複数メダル獲得は吉川だけだ。その後、68年メキシコ、72年ミュンヘンの両五輪にも出場し、76年モントリオール五輪では日本代表監督も務めた。

ちなみに初の金メダルは84年ロサンゼルス五輪。男子ラピッドファイアピストル25メートルで蒲池猛夫がもたらした。