競泳日本選手権、男子100メートルバタフライ決勝で水沼尚輝(24=新潟医療福祉大職員)が51秒03の自己ベストで優勝し、東京五輪代表を決めた。同大からは全競技を通じて初の五輪代表誕生。県関係では00年シドニー五輪女子100メートル背泳ぎ銀メダルの中村真衣以来の競泳五輪代表になった。

新潟医療福祉大(新潟市)では後輩の水泳部員らが学内でテレビ観戦をしてエールを送り、歴史的瞬間を見届けた。水沼が得意の追い上げでフィニッシュ。「1位 代表」の表示が画面に出ると同時に、教室に陣取った水泳部員、女子バスケットボール部員、職員ら約100人がバルーンスティックを激しくたたき、祝福した。

水泳部員40人が水沼と、ともに決勝に進出した田中優弥(22=同大職員、決勝5位)の応援に集まった。主将の野極陽向(4年)は「優勝した瞬間は鳥肌が立った」と話す。「普段から気さくで明るい人。大会に行く前も普段通りだった。(五輪代表を)決めてくれると思っていた」と一発勝負の大一番に向かう雰囲気に余裕を感じ、確信を持って画面に視線を送っていた。

同大から初の五輪代表に「同じプールで練習している先輩がオリンピアン。チームにも個人にも刺激になります」と野極。周囲に勇気を与える五輪切符獲得劇だった。【斎藤慎一郎】