五輪テストイベントを兼ねて、200人を超える海外選手が参加して開幕した。今大会は感染症対策として、選手、コーチらは外部との接触を防ぐ「バブル」空間の中で過ごしている。

男子シンクロ高飛び込み予選に出場したドイツ選手は「完璧な隔離状態。感染する余地はないと思う。日本政府に感謝しています」と、徹底した感染症対策を歓迎した。その一方で「できればバスを貸し切って、ウチのメンバーだけで東京を見学させてもらえるとうれしい。世界でも美しいと言われる東京にいながら、何も見られないのは悲しいです。サヨナラ」とジョークを飛ばしていた。

ドイツ水連の強化担当を務めるルッツ・ブシュコフ氏は、「バブル」について「ホテルの周りの様子が全くわからない。規制がとても厳しくて、心に余裕がないです。部屋はとても広くて過ごしやすいが、3食ともに自分たちの部屋で食べる。他の人たちとのコンタクトが少ない。1番残念なことは新鮮な空気を吸う機会が全くないこと」。

今大会は五輪本番会場の東京アクアティクスセンターで無観客開催となった。同氏は「観客席からプールを見る景色がとってもいい。残念なことに声援、音で応援できず、選手はモチベーションが上がらないかもしれない。ただ1年半試合がなかったので、この大会はとても有意義」とした。

女子シンクロ板飛び込みに出場したカナダ選手は「コロナでいろいろと変わる必要がある。バブルの変化を受け入れます」とした。さらに「アスリートも日本の人たちも安全に競技ができることが一番。今はこの状態(バブル)がベストと分かっている」と話した。

今大会は、厳しい感染症対策を施して運営されている。ただ練習時間には飛び込み台の上が順番待ちの選手で密集する光景が見られた。オーストラリアの選手団がコロナ禍とワクチン接種が間に合わないことを理由に出場を辞退。また4月28日にはエジプトのコーチが来日した直後の空港検査で陽性判定を受けて、隔離されている。