【ありがとう】ヌートバーに沸いた日本ラウンド ペッパーミルに込められた真摯な思い

東京ドームに響く「ヌ~~~」コールはすっかりおなじみになりました。侍ジャパンのラーズ・ヌートバー外野手(25=カージナルス)が、不動の「1番中堅」としてWBC4強進出の立役者になりました。準々決勝イタリア戦では試合前の円陣で「頑張りましょう! さあ行こう!」と日本語で士気を高め、1回の第1打席でヌートバーシフトを破る左前打。ベンチには実物のペッパーミルが持ち込まれるなど、ムードメーカーとしても大活躍しました。深夜となった試合後、米国への出発を前に日本のファンへの感謝と再会を誓いました。試合前に行われたインタビューも併せて、ノーカット版でお届けします。

プロ野球

◆ラーズ・ヌートバー1997年9月8日、米カリフォルニア州生まれ。米国人の父と日本人の母を持つ。高校時代は野球とアメフトをプレー。18年ドラフト8巡目(全体243位)でカージナルス入り。21年6月に初昇格し、メジャー通算は166試合で打率2割3分1厘、19本塁打、55打点。190センチ、95キロ。右投げ左打ち。

<WBC:日本9-3イタリア>◇準々決勝◇16日◇東京ドーム

侍ジャパンがイタリアを破り、5大会連続の準決勝進出を決め、米国行きをつかんだ。リアル二刀流で臨んだ大谷翔平投手(28=エンゼルス)は5回途中2失点も勝利投手。打撃では3回に意表をつくセーフティーバントで先制点をお膳立てした。さらに岡本がこの回に3ラン。結局この試合5打点と大活躍。その後リードを広げ、ダルビッシュが4番手に登板。1点を失うも、リードを保ったまま最終回の大勢へとつなげ、チームは大勝した。準決勝は日本時間21日午前8時から、メキシコープエルトリコの勝者と行われる。

印象深い試合は「日韓戦」

3月16日イタリア戦の試合後

――ベスト4に進出です

最高でした。まずショウヘイがいいピッチングしてくれて、バントもチームのためにしてくれて、そしてそっから他の選手もよく打ってくれたんで、チーム一丸となって勝ったと思います。

日韓戦の試合前、円陣で盛り上げるヌートバー(左から3人目)。試合前も試合中も「切り込み隊長」として大活躍=2023年3月10日

日韓戦の試合前、円陣で盛り上げるヌートバー(左から3人目)。試合前も試合中も「切り込み隊長」として大活躍=2023年3月10日

――2度目の円陣声出しは誰からやってくれと言われた?

清水コーチがまずやってくださいと言ってくれて、心の底から世界一のピッチャーが投げてると思ってますし、やっぱりこの試合を勝ってマイアミに行くっていう目標も立ててるので、あとはこのチームが勝ってる理由もあると思うんで、あと通訳も、いい通訳をしてくれたんで。

――大谷と仲良く話していたが得られたものは

まずピッチングとああいうバッティングを同時にやることはありえない話。ルーティーンのケージワークとかもよく見てて、あとアレナド選手が僕にも聞いてきて、どういうルーティーンをやってるかすごい気になってるんで、世界トップレベルの選手だと思う。僕は学ぶ姿勢でどんどん前に進んでいきたいと思います。

――日本に来て印象に残っている試合やプレーは

本文残り63% (2042文字/3251文字)