【ポスト源田】ハム上川畑大悟 井端氏譲りの「手」で目指すWBC/連載〈14〉

3年後のWBC出場を目指して、アピール合戦が始まっています。日本ハム上川畑大悟内野手(26)は、多くの球界関係者が認める高い守備力で“ポスト源田”を狙います。守備だけでなく、ルーキーイヤーの昨季は勝負強い打撃も相まって、ファンから「神川畑」の愛称を授かりました。新庄剛志監督(51)が「外せない選手」と信頼する名手に、こだわりや侍ジャパンへの思いを聞きました。

プロ野球

◆上川畑大悟(かみかわばた・だいご)1997年(平9)1月12日、岡山県倉敷市生まれ。小4から軟式野球を始め、倉敷商では1年夏の甲子園大会でベンチ入り。日大では2年秋にリーグ優勝、二塁手でベストナインを獲得し、4年時に大学日本代表選出。NTT東日本を経て、21年ドラフト9位で日本ハム入り。支配下選手では12球団で最後の指名だった。1年目の昨季は80試合に出場し打率2割9分1厘。プロ入り前は課題とされていた打撃でも活躍した。167センチ、71キロ。右投げ左打ち。

取ると決めてからの「間」

――野球はもともとやりたかった

上川畑いや、兄の影響が大きいです。3学年上で小学校では一緒にソフトボールをしていたんですけど、兄が卒業して中学から野球を始めたので、それだったら…という感じで。小学校ではピッチャーをやったりしていましたが、中学校からは内野手を。ショートとかセカンド。

――守備は昔からうまかった

上川畑好きではあったし「うまい、うまい」とは言われていましたけど…。高校時代は得意だったけど、めっちゃエラーも多かった。

――ショートの魅力は

上川畑ゲッツーです。試合の流れを変えるプレーだと思うので。

ショートの魅力「ゲッツー」を完成させる

ショートの魅力「ゲッツー」を完成させる

――守備上達の契機

上川畑日大1年生の時に朝早くから毎日、守備の基礎的な練習に取り組みました。朝の全体練習前の1時間くらい、コーチの方に特守に呼んでいただいて。それを毎日、1年間みっちりやったのが大きかったかなと思います。それまでは自分の感覚だけでプレーしていたので。

――それまでの欠点は

上川畑雑(笑い)。派手なプレーをしたらうまいみたい考えがあったので、平凡なゴロでもエラーしちゃったりとか。そういうところがダメだったかなと思います。

――遊撃守備の動画をよく見る

上川畑いろんな人の守備を、よく見ていました。社会人のNTT東日本時代は(元中日、巨人で臨時コーチを務めた)井端さんに教えてもらっていたので、井端さんの現役の時の動画をよく見ていましたね。実際にノックの動きを見せてもらっても、やっぱりすごい。(ボールを)取ると決めてからの“間”が安定している。バウンドが合った時って、誰しも“間”がある取り方になるんですけど、そんなに合っていないようなバウンドでも、しっかり“間”が合ってボールが取れているんです。

――守備で意識していることは

上川畑僕はあまり(ボールを)取りに行かないように、待って取るような意識でいます。

「シンプルにカッコイイ」

――プロ1年目の昨年、気付いたこと

上川畑球際のプレーが弱いなって。エラーにはなっていないですけど、アウトに出来る打球が取れなかったり、セーフになったり。ピッチャーが打ち取った打球は必ずアウトにする意識でずっとやってきたんですけど、もう1段階上に行くためには、球際の打球をしっかりアウトにするのが大切かなと思います。

――社会人1年目で井端氏から譲り受けたグラブは、球際で取りやすいと話していた。これまでのグラブとの違いは

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