【愛斗の鉄壁論】2死満塁の大飛球「投手の人生を背負って、守ってる」/連載〈11〉

WBCの余韻が残る中、ペナントレースが開幕しました。未来の侍候補になりうる若手たちも、各球団で奮闘しています。西武愛斗外野手(26)の野性的ともいえる外野守備は、球界内でも高い評価を得ています。「守備してる方が楽しい」という、若き職人の思いをインタビューで尋ねました。

プロ野球

◆愛斗(本名・武田愛斗=たけだ・あいと)1997年(平9)4月6日、大阪府生まれ。小2年から「浜寺ボーイズ小学部」で野球を始める。花咲徳栄では1年秋からベンチ入りし、2年春にレギュラー。3年夏に甲子園に3試合で4番中堅手で出場。初戦でのランニング本塁打など14打数7安打1本塁打で8強入りに貢献した。15年ドラフト4位で西武に入団。17年6月16日の中日戦でプロ初出場を果たす。プロ5年目の21年に出場機会を伸ばし、97試合で打率2割1分9厘、8本塁打、39打点。昨季は規定打席には届かなかったが、ほぼレギュラーとして121試合で打率2割4分3厘、9本塁打、28打点。今季は開幕戦のオリックス戦で球団通算9500号となるメモリアルアーチを放った。推定年俸3300万円。177センチ、92キロ。右投げ右打ち。

「3時間半かかってます」

――「1番右翼」に固定されつつある。チーム内で演じたい役割は

愛斗打撃はできるだけ粘って、走塁は今まで通り先の塁を狙う。守備は、投手の人生を背負って守ってる気持ちを1球も忘れずにやりたいなと思います。

――投手の人生を背負う

愛斗プロ野球生活が進んでいくにつれて「あ、今の捕れたな」っていうのを見ると「投手かわいそうだな」って気持ちになるようになったんです。2死満塁で大飛球を捕ったら0点、抜かれたら3点。投手の人生を大きく左右するじゃないですか。1球も気を抜けないし、死に物狂いで捕らないといけないって。

――そういう思いは仲間とも共有しあって

愛斗投手や、投手コーチとかの「ありがとう」っていう言葉で、僕は頑張れるんで。練習頑張って良かったなと思うんで。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。