【7回!連載】根尾昂の今を超・深掘り「5回にカーブ投げたでしょ。あれは?」〈2〉

選手の技術面に加え、人間性やドラマにも迫る田村藤夫氏(63)の「プレミアムリポート」は、昨年からずっと追い続けている中日・根尾昂投手(23=大阪桐蔭)へのロングインタビューの第2弾です。前回は8月16日の先発で感じたことを振り返ってもらいました。今回は現状の課題、特にカーブをどう考えているのか、踏み込んで聞いています。

プロ野球

◆根尾昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日、岐阜県生まれ。小2から古川西クラブで野球を始め、古川中では飛騨高山ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入りし、2年春、3年春夏で優勝。4球団強豪の末、18年ドラフト1位で中日に入団。3歳から始めたスキーでは、中学2年時にアルペンスキー回転で日本一となり、世界大会にも出場した。内外野をこなし、22年途中から投手に登録を変更。22年は野手として49試合に出場し打率2割、本塁打なし、4打点。投手として25試合に登板し勝敗なし、1ホールド、防御率3・41。177センチ、78キロ。右投げ左打ち。


◆田村藤夫(たむら・ふじお)1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受けたが、日本ハムに残留。96年オフには、ダイエー(現ソフトバンク)王監督から直接電話を受け、移籍を決断した。07年からは、中日の落合監督に請われ入閣。捕手としてONと落合氏から高く評価されたが、本人は「自分から人に話すことではない」とのスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。@tamu2272

田村さんが向けたレンズにおどけて、目を閉じてピース=2023年8月17日

田村さんが向けたレンズにおどけて、目を閉じてピース=2023年8月17日

取材前日の登板は8月16日、ウエスタン・リーグの阪神戦(バンテリンドーム)。先発して6回で127球を投げ7安打、1本塁打。3奪三振、4四球で2失点だった。

スタミナは問題なし

田村氏今日は先発して6回だろ?

根尾はい。120球ちょっとくらいですね。球数的には。

田村氏バテた?

8月16日、バンテリンドーム(以下同)

8月16日、バンテリンドーム(以下同)

根尾ガンでは146、7くらいは出ているんですけど、バッターの反応を見ると、それまでファウルを打ってバッターの反応が「あっ!」って差されているボールが、ポイントが前になってきてたんで。

やっぱり変化球投げてて腕の振りが甘く、浅くなっていたのが。はい。投げ切れてるって感じじゃなかったんで。

田村氏自分ではバテたって感覚はなかった?

根尾はい、なかったですね。汗はやばかたったです。(スタミナ関係で感じたのは)それですかね。

田村氏5回くらいにカーブ投げたでしょ。あれは? それまで使ってなかったでしょ。

本文残り63% (1992文字/3140文字)

1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。