【もしもし】根尾昂と田村藤夫氏が約束の直電 今季初先発から一夜、真相を深掘り/前

今回は、田村藤夫氏(63)が中日・根尾昂投手(23=大阪桐蔭)に直電して電話取材する異例の「プレミアムリポート」です。前回、8月に根尾投手をインタビューした際、根尾投手から「次は電話取材でお願いします」のうれしい申し出があり、9月18日の今季初先発の翌日に、約束通りに電話取材が実現しました。根尾投手のプロ入りからずっと見守ってきた田村氏ならではの、具体的なピッチングを突き詰めた直電インタビューをどうぞ、最後までご覧下さい。

プロ野球

◆根尾昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日、岐阜県生まれ。小2から古川西クラブで野球を始め、古川中では飛騨高山ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入りし、2年春、3年春夏で優勝。4球団強豪の末、18年ドラフト1位で中日に入団。3歳から始めたスキーでは、中学2年時にアルペンスキー回転で日本一となり、世界大会にも出場した。内外野をこなし、22年途中から投手に登録を変更。22年は野手として49試合に出場し打率2割、本塁打なし、4打点。投手として25試合に登板し勝敗なし、1ホールド、防御率3・41。177センチ、78キロ。右投げ左打ち。


◆田村藤夫(たむら・ふじお)1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受けたが、日本ハムに残留。96年オフには、ダイエー(現ソフトバンク)王監督から直接電話を受け、移籍を決断した。07年からは、中日の落合監督に請われ入閣。捕手としてONと落合氏から高く評価されたが、本人は「自分から人に話すことではない」とのスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。@tamu2272

6回2/3を投げ4失点 自責0

写真はすべて2023年9月18日、バンテリンドーム

写真はすべて2023年9月18日、バンテリンドーム

◆根尾の今季初先発9月18日の広島戦(バンテリンドーム)で今季初登板の先発マウンドに立ち、6回 2/3 を投げて4失点(自責点0)。98球で打者25人に対して4安打、3四球、2奪三振という内容。5点リードの状況で根尾が降板した後に同点に追い付かれ、プロ初勝利は消えたが、試合は延長11回サヨナラ勝ち。今後に期待を抱かせるピッチング内容だった。

田村氏もしもし。お疲れ。

根尾お疲れさまです。

田村氏ナイスピッチングでした!

根尾ありがとうございます!

田村氏どうだった?

根尾いや、もう石橋様様です!

田村氏なんで先発マスクは石橋になったの?

根尾あっ、もう…、いや、もう、そういう話で…

田村氏最初から?

根尾はい。

田村氏別に、根尾からリクエストしたわけじゃないの?

根尾あっ、はい。もう、(石橋が)めっちゃ打ってくれたんで。

田村氏本当だよな。びっくりしたよな。うん。いや、俺もテレビ見た時に、キャッチャーは誰かなあ? と思ってさ。

根尾はい!

田村氏前に根尾と話した時、どういう流れで捕手の先発は決まるんですか? って話をしてたじゃない?

根尾はいはい。はいはい。

田村氏だからさ、先発マスクは誰かなって思ってたら、いきなりジャガ(石橋のニックネーム)だったからさ。びっくりしたよ。投げやすかった?

根尾はい。そうですね。まっ、良かったです。投げやすいようにしてくれました。

田村氏いい感じだったけどな。

根尾はい。

田村氏でも、お前、あの先頭バッターは、ちょっと緊張してたよな?

根尾え。なんか…。

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1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。