tvk吉井祥博アナウンサーの球児メモ これが「細かすぎるアナ」の取材力だ/前編

夏の高校野球神奈川大会が7月5日、開幕します。全国屈指の激戦区で、決勝は横浜スタジアムが満員札止めになることもある人気の大会。四半世紀にわたり「声」で熱気を伝えてきたtvk(テレビ神奈川)の吉井祥博アナウンサー(59)にインタビューしました。高校野球やDeNA取材でご縁があった日刊スポーツ記者陣にも大人気の、名物アナウンサーです。

高校野球

■「こんな野球がこの世にあるんだと思いました」

いつぞや数年ぶりにお会いした時、吉井アナに「金子さんの母校は最近ちょっと苦しんでいますね…」と言われてビックリした。何という記憶力。確かに母校は「古豪」と呼ばれる。

市川(千葉)から早大へ進学し、卒業後は岩手放送へ入局した。「ちょうど盛岡大付が甲子園に最初に行った年ですね。今の関口監督が主将で」。その後96年にtvkに移った。

横浜ベイスターズ戦の中継の実況を任された。「年間で20試合くらいですかね」。ラグビーもサッカーも、夏の高校野球も。

「僕が入った頃は多分、会社自体が忙しすぎて、春の大会を取材するっていう文化もなくて。僕が『春の取材に行っていいですか?』と言い出してから、ようやく春も取材行けるようになりました」

初めて決勝戦の中継を担当したのは00年。担当2年目の決勝戦はすごかった。初回に横浜が3点先制。裏に桐光学園が6点を返し、2回表に横浜がまた3点を取り返す乱打戦になった。

「神奈川のレベルの高さを思い知らされた世代ですよね。岩手は当時、ホームランはなかなか見なかったので。それが桐光はいきなり3ランが2本。恐ろしいチームでしたよね。こんな野球がこの世にあるんだと思いました」

どんどん魅了されていく。夏の抽選会が終わってから、実況中継する試合が決まり、担当する試合が割り振られる。高校への事前取材へ出向く。一時期は200を超えた参加校。全ての高校へ行ったのか。

「いえ、まだまだです。息子の出身校の上溝南高校にもまだ行ったことないです。3分の2以上は行ってますかね。でも行けないまま、もうなくなっちゃってる高校もあるんで」

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。