【巨人戸郷翔征】2軍経て再昇格 苦難の最中、さらっと口にした「好き」という言葉

巨人戸郷翔征投手(25)が4月29日、1軍へ再昇格を果たしました。今季は3試合で0勝2敗、同11日の広島戦は4回途中10失点(自責9)で2軍降格が決まり、再調整を続けてきました。苦難の最中、発したある言葉が記者を引きつけました。菅野智之投手(35)がメジャーリーグに移籍し、エースの立場を担う今季。復活への歩みを支える感情に迫ります。

プロ野球

◆戸郷翔征(とごう・しょうせい)2000年(平12)4月4日、宮崎県都城市生まれ。聖心ウルスラ学園2年夏に甲子園出場。18年ドラフト6位で巨人入団。19年9月21日DeNA戦でプロ初登板。22年から3年連続2桁勝利。22年、24年、最多奪三振。23年WBCで日本代表に選出され優勝に貢献。24年5月24日阪神戦でノーヒットノーラン。昨季まで122試合、55勝35敗、防御率2・75。187センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸3億円。

2軍で久保コーチとフォームを確認

2軍で久保コーチとフォームを確認

「いい意味で野球を毎年好きになっていってる」

さらっと口にしたひと言が、そのアスリートの根幹を教えてくれる事がある。

「毎年野球に対する考えが変わってきて、いい意味で野球を毎年好きになっていってるので」

4月22日、川崎市のジャイアンツ球場。2軍が仙台へ遠征していたため、育成選手が主な3軍練習にまじりながら、戸郷は汗を流していた。

約2時間後、室内へと移動する通路の途中で立ち止まると、「好き」という言葉を自然に発した。

印象的だった。

4月11日の広島戦では4回途中10失点。2軍降格となった

4月11日の広島戦では4回途中10失点。2軍降格となった

失敗後どんな言動を取るか 真摯な対応貫く

聞きたいことがあった。

4月から野球部に異動して、その理知的で丁寧な応対に興味関心が一気に深まっていったのが戸郷だった。

折しも11日の広島戦(マツダスタジアム)で自己ワーストの10失点で開幕3試合勝ち星なし、その直後にファーム再調整が決まっていた。

菅野智之がメジャーリーグへと旅立ち、巨人のエースを託された男の苦難に立ち会うことになった。

記者として1つ大事にしている視点がある。

負けた時、うまくいかない時に、何を語るのか。

プロ、アマチュア問わず、どんなスポーツにおいても勝ち続けることはまれだ。失敗の後にどんな言動を取るかで、人間としての本質が浮かび上がると思っている。

試合会場でそんな場面にたびたび遭遇してきた。

今回は戸郷だった。

マツダスタジアムでの失意の直後、球場を後にする前に囲み取材に応じていた。

「今まではできてたことができなくなったりだとかしてたんで。でも今日すごい出力的にはすごい良かったので。腕の振りも良かったんじゃないかなと自分でも思います。結果を出さないといけない世界なので、見つめ直して、また帰ってきたいなと思います」

「柱となるピッチャーがね、こういうピッチングだと、やっぱりいい影響は流れない。またそこを見つめ直してやっていけたらなと思います」

「抹消して10日間、しっかり自分と向き合ってやっていけたらなと思います」

落胆が言葉を曇らせない。約5分ほど、敗者の気持ちの乱れを感じさせない時間だった。

2軍行きを告げられたこと、エースという立場への責任、逆に収穫についても。真摯(しんし)な対応が続いた。

琴線に触れた。

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2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて17年。25年4月に初の異動で野球部へ配属となりました。競技経験はありませんが、現在は息子が通う少年野球チームで“球拾い”コーチとして奮闘中。記者としても、様々な話題を拾います。ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。クラフトビール好きです。