【金子真仁】13年前、仙台から松島までチャリで行った。歩いて行けたら追い越せる―

たまに無性に長距離を歩きたくなります。単に歩くのもしんどいので、何か「野球」を感じながら。西武担当を任命された今季、各地で歩きます。そんなわけで連載「野球と旅を、こじつける。」のスピンオフ「野球を歩く」の第3回は宮城・仙台編です。

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■楽天モバイルパークまで徒歩19分。でも今日は用はないから通過。

とにかく西武ファンの熱がすごかった盛岡遠征から一夜明けると、5月21日朝の盛岡は雷雨だった。

彼らが右翼席をところ狭しと駆け回ったり、金色の俗称〝クソデカネックレス〟を身につけていたことを何かしらの儀式に感じた天空界隈(かいわい)がいたのだろうか。

21日は仙台への移動日。取材予定もない。でも雷雨じゃ、やることもない。とりあえず天気予報のいい仙台へ移動する。

車窓を眺めながら盛岡名物「福田パン(のブラックカレーサンド)」をつまみ「あっ、仙台で歩こうかな」とふと思う。

仙台駅へ到着するなり、コインロッカーに荷物をしまい身軽に。仙台駅東口がスタートだ。

駅前を歩く。緑の並木にえんじ色のベンチが並ぶ。仙台はイーグルスがちゃんと根付いた街だ。

楽天モバイルパークまで徒歩19分。でも今日は用はないから通過。東へ東へと歩を進める。

仙台から三陸沿岸を通って八戸、青森へつながる全長2000キロ超の国道45号線が、この日の主な歩き会場。普通車のみならずトラックもけっこう多い。

宮城県の人口の約半分が集中している仙台市との境目に、仙台育英高校の多賀城校舎がある。ここまで仙台駅から歩いてちょうど2時間かかる。

取材を担当するライオンズでいえば、今季から加入した平沢大河内野手(27)の母校だ。甲子園準優勝からもうすぐ丸10年だ。

仙台育英には東北各地からスーパー中学生が集まる。でも平沢はご近所さん。多賀城市出身。

「チャリで通ってましたよ。毎日、橋渡って」

青葉郷の田んぼが左右に広がる中、その橋で三陸自動車道をまたぐ。渡りきれば多賀城市の中心地だ。

ロッテで9年間過ごし、ライオンズへ。そういえば仙台育英野球部は「ライオン軍団」とも呼ばれていた。縁がある。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。