アイドル的人気集め、新喜劇を支え続けた吉田ヒロ「楽しみ」な戦友たちとの記念公演

吉本新喜劇の吉田ヒロ(56)が芸歴40周年を記念して座長公演(10月24~30日)を大阪・なんばグランド花月(NGK)で行う。若い頃はアイドル的人気を集め、その後は変革期の新喜劇を支え、座長としても大車輪の働きを見せてきた。記念公演にはかつての戦友が集結。「このメンバーなら、お祭り感が強いでしょ?」と、その日を楽しみにしている。

お笑い

<吉本芸人インタビュー>

◆吉田(よしだ)ヒロ 1967年(昭42)8月4日、神戸市出身。高校在学中の83年、NSC(吉本総合芸能学院)に2期生として入学。86年、漫才コンビ「ボブキャッツ」を結成する。ダウンタウン主演のMBSテレビ「4時ですよーだ」に出演し、女性ファンを中心に人気を集めるが、コンビ解散。89年、吉本新喜劇に入団する。ダウンタウンとともに東京での活動が増えていき、91年に新喜劇を卒業。その後、大阪に戻り、新喜劇復帰。99年に座長就任する。内場勝則、辻本茂雄、石田靖とともにフル回転。07年の座長退任後は若手のサポート役として新喜劇出演を継続する。趣味は阪神タイガースの応援、絵を描くこと。身長165センチ。

芸歴40周年記念公演を控える吉田ヒロ(撮影・三宅敏)

芸歴40周年記念公演を控える吉田ヒロ(撮影・三宅敏)

台本削りアドリブで

内場勝則(63)辻本茂雄(58)石田靖(57)。吉田ヒロとともに90年代以後の新喜劇を支えてきた仲間たちが、今回の記念公演に集まる。「吉田ヒロ芸歴40周年記念公演」は、めったに見られない豪華共演が実現した。

ヒロ 座長公演そのものが、僕にとって15年ぶりぐらいになるかな? せっかくの節目なので、僕の方から3人に電話して「40周年に協力してくれませんか?」とお願いしたんです。そしたら皆、喜んで受けてくれて。昔から4人は仲が良くって、よく集まっては新喜劇の将来について話し合ってました。4人が共演するのは初めてではないけれど、めったにない機会なので、ぜひ見てもらいたいと思ってます。

注目の記念公演には、ヒロならではのこだわりが詰まっている。

ヒロ 台本はなるべく短くして「台本、うすすぎないか?」と言われるまで削ります。細かい設定にはこだわらず、内容もあってないような…。その分、自由な時間が生まれるので、出演一人一人がアドリブで存分に笑いを取ってもらいます。「この公演に出てよかったなあ」と全員に喜んでもらいたい。僕も暴れますよ。

あわせて10月27~29日には「吉田ヒロ 芸歴40周年ギャグアート展」が開催される(入場無料)。会場はNGKからすぐ近くの「ラフ&ピース アート・ギャラリー・オオサカ」。

芸人として40年のキャリアを重ねてきたヒロ。NSC(吉本総合芸能学院)に入学したのは、15歳の時だった。親から「芸人を目指すのはええ。でも、高校にはちゃんと行きなさい」と言われ、その意をくんで高校とNSCを両立させた。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。