MBS「オールザッツ漫才」優勝!セルライトスパ 最高の褒め言葉「アホが勝つ」

セルライトスパは、昨年末のMBSテレビ「オールザッツ漫才」で見事優勝を飾った。他のお笑い賞レースとは色合いが異なり、5時間の生放送で、3度のバトルを勝ち抜いて、やっと優勝となる。勝ち負けはスタジオの一般ファンと参加芸人による審査。肥後裕之(38)と大須賀健剛(39)は「勝ててよかった」と喜びをかみしめつつ、次の目標であるキングオブコント、M―1グランプリへと前進を続ける。

お笑い

◆セルライトスパ肥後裕之(ひご・ひろゆき)、大須賀健剛(おおすか・けんごう)によって2009年(平21)4月結成。ともにNSC(吉本総合芸能学院)31期。16年ABCお笑いグランプリ優勝、19年R―1ぐらんぷり準優勝(大須賀)、23年オールザッツ漫才優勝。M―1グランプリでは20~23年準々決勝進出。15、17、19年は準決勝進出。キングオブコントでは11、14、16年に準決勝進出。

肥後写真左。85年5月31日、鹿児島県生まれ。趣味はゲーム、ゴルフ。歌が得意。身長170センチ。

大須賀84年6月1日、愛知県生まれ。趣味は釣り、競馬。空手と剣道の有段者。身長164センチ。

オールナイト5時間バトル

2023年12月30日午前5時。5時間2分にわたるワンナイトマッチが決着した。超若手から中堅、ユニットなど35組で争われたネタバトル。激戦を勝ち抜いて優勝したのはセルライトスパだった。

オールザッツ漫才は、M―1グランプリなど他の賞レースとは、ひと味もふた味も異なる大会。ネタ時間はわずか1分なので、素早く会場の空気をつかみ、笑いにつなげる必要がある。爆発力、瞬発力。それゆえ、芸人には「オールザッツが一番好きだ」という者も。

大須賀やはりインパクトが大事ですね。かといって、ひとボケだけだと足りない。1分のネタは難しいです。決勝ネタは、ふだん5分かけているものを削って、削って1分に仕上げました。

肥後毎年勝ちたい、と思って出るんですが、なかなか勝てなかった。今回も、1回戦で直前にビスケットブラザーズがブリーフ姿で暴れ、僕らのネタとかぶる部分があったので「あ、負けたかも」と思ってました。

大須賀オールザッツでは、たとえ失敗したとしても、見ている人にウケれば何とかなるんです。イメージでいえば「アホが勝つ」。この場合、アホは褒め言葉ですよ(笑い)。

肥後深夜から朝にかけての5時間のバトルですが、アドレナリンが出るせいか、疲れていてもなんとか乗り切れるものです。一緒に来ている芸人が互いのネタを見ているので、芸人にも受けるものをやらなきゃならない。

大須賀といって、そっちに寄せすぎると観客の方を置いてけぼりにしてしまう。そのあたりのバランスが難しいですね。

さや香、カベポスター決勝で撃破「ワンチャンある」

1回戦、2回戦、そして決勝。3度のネタバトルを制さなければ優勝には届かない。しかも、決勝の相手は、さや香とカベポスターというM―1決勝常連組だった。

大須賀さや香とカベポスターにばかり、賞レースで勝たれちゃ、あかんでしょ? 決勝はさや香のネタが大ウケしたけど、それでもワンチャンスあると信じてました。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。