【インタビュー1】道場六三郎94歳 常に最新の調理器を使う深~い理由/料理の流儀

テレビ番組「料理の鉄人」で一世風靡した料理人、道場六三郎さんが1月3日で94歳を迎え、長い人生を振り返るインタビューに応じました。「昭和100年」にあたるといわれる2025年。激動の昭和を生き抜き、平成、令和の新時代の流れに乗り遅れず「生涯現役」を続けています。健康、長寿の秘訣を明かしてくれました。

94歳になっても「料理は想いやり。まだ、夢というか目標はあるね」と仕事への情熱は衰えを知らず、矍鑠(かくしゃく)たる姿は、お弟子さんたちの憧れの存在。「もうそんなに長くは生きないと思いますから」と現代の若者へメッセージを送ってくれました。

今年で料理人としては75年目、仕事の流儀とは―。

3回に分けて連載します。

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◆道場六三郎(みちば・ろくさぶろう) 1931年(昭6)、石川県山中町(加賀市)生まれ。フジテレビの人気番組「料理の鉄人」で、初代「和の鉄人」として活躍。これまでの日本食にない斬新なアイデア、かつお節を鍋の中へ豪快に振りまく派手なパフォーマンスなで人気を博し、日本食料理人として有名になった。19歳で上京し、銀座の日本料理店「くろかべ」などで研鑽を積んで、71年に東京・銀座に「銀座ろくさん亭」を開店した。2005年(平成17)、厚生労働省から技能卓越章「現代の名工」を受賞。2020年にはYouTubeチャンネル「鉄人の台所」を開設し、配信している。

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◆銀座ろくさん亭日本の四季を感じられるよう、季節の盆栽が彩るお店は、柔らかい光を奏でる「紙」と静かな光の流れを受け止める「木」の質感をいかしたダイニング。低めのパーテーションを配し、ゆったりとした広い空間ながら、プライベートなくつろぎを演出。厨房前にはカウンター席も用意。食事のほかにも、パーティーや宴会などにも利用できる。

〒104―0061

東京都中央区銀座6―9―9かねまつビル8F

TEL 03(5537)6300

■「下の人たちがいないと、上の人たちはやっていけない」

「料理は想いやり」

道場さんが2025年、94歳になって書き初めに書いた言葉です。

「料理は―」と書きますが、実は「人生は」へ置き換えられるという、長い人生で大事にしている言葉でもあります。

10年前に死去した妻・歌子さんの仏壇には「料理の鉄人」で共演した盟友の陳建一さん(23年逝去)料理評論家の服部幸応さん(24年逝去)ら、多くの友人らの遺影写真が夫人と一緒に並べられています。

道場さん僕はお客さん、家族や弟子たち、周りの人たちに支えられてきました。その感謝を忘れてはいけない。

お客さまへの思いやりは、料理人の基本だと思っています。

思いではなく、想いと書くのは、相手のことを心から思いやるという意味で、想いという漢字です。

お店の料理長にも、若い衆たちの先輩にも、とにかく後輩を思いやるという気持ちを持ちなさいと言い続けています。下の人たちがいないと、上の人たちはやっていけないわけですから。

身内を思いやれない人が、お客さんを大事にはできない。

人を思いやれば、思いやりの心がある料理ができる。

思いやりの心があるから、昭和から平成、令和と時代の流れにも乗り遅れなかったという。

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野球

平井勉Tsutomu Hirai

Kumamoto

1967年、熊本市生まれ。1990年に入社し、プロ野球の西武、ヤクルト、巨人などを担当。米ロサンゼルス支局時代には大リーグを担当し、野茂英雄、イチローらを取材した。
野球デスク、野球部長、経営企画本部長などをへて現職。著書「清原和博 夢をつらぬく情熱のバッター」(旺文社)「メジャーを揺るがす大魔神 佐々木主浩」(旺文社)がある。