【坂本花織V2トーク】眠れぬ夜・3トーループ・ロシア人気・今後の髪型

日本勢として初の2連覇を飾った坂本花織(22=シスメックス)。ショートプログラム(SP)首位発進で迎えたフリーでは、演技後に悔しさをあらわにしました。その理由、心の動きを丁寧に話してくれた取材エリアの言葉を余すところなくお届けします。来季への展望も語った一夜明けも含めて、「坂本花織の言葉<世界選手権編>」です。

フィギュア

〈世界選手権〉SPからフリー、一夜明けまで女王の言葉たっぷり

坂本花織の世界選手権ギャラリー

【女子シングル上位成績】


順位名前SPフリー合計
優勝坂本花織79.24145.37224.61
2イ・ヘイン73.62147.32220.94
3ルナ・ヘンドリックス71.94138.48210.42
4イザボー・レビト73.03134.62207.65
5三原舞依73.46132.24205.70
6キム・チェヨン64.06139.45203.51
7ニコル・ショット67.29130.47197.76
8キミー・レポンド62.75131.34194.09
9ニーナ・ペトロキナ68.00125.49193.49
10渡辺倫果60.90131.91192.81
3月26日エキシビション、スマートフォンで集合写真撮影をする坂本(右)

3月26日エキシビション、スマートフォンで集合写真撮影をする坂本(右)

「2アクセル満点欲しかった」/SPより

――演技を振り返って

坂本 今シーズンのショートはちょっと不安があったんですけど、今日は不安なく、しっかりと滑り切ることができたので。楽しくできました。

――今季世界最高。一方でキスクラでは「もう少し」というジェスチャー

坂本 去年が80を超えたので。それに近い点数が出たのはうれしいんですけど、あともうちょっとだなっていうのをすごく感じて。でも、今シーズンの中で一番いい演技ができたかなと思うので、満足です。

――もう少しの要素とは

坂本 今日はちょっとスピード感がなかったな、っていうのを全体を通して思ったのと、あとはやっぱ、(ダブル)アクセルの加点が1・3ぐらいしかなかったので。やっぱり満点が欲しかったなっていうところがちょっと悔しいです。

――観客から大歓声、大きな拍手。力にはなりましたか

坂本 そうですね。久々に声出しオッケーだったので、4年前のさいたまの世界選手権もこういう感じだったなっていうのをすごく思い出して。まあ最初は久しぶり過ぎて、ちょっと舞い上がって緊張したりとか。6分間の時はちょっと危なかったんですけど、何とか本番までには慣れたし、普段通りの気持ちでできたので、その声援っていうのは、すごくやっぱりうれしいなって思いました。

3月22日、女子SPで演技する坂本

3月22日、女子SPで演技する坂本

「このショートは、やっぱりきついな」

――地響きがするぐらい手拍子が大きかった。熱気は伝わっていたか

坂本 だいぶ、そうですね。ジャンプがまだ残ってる時は、やっぱり皆さん、お客さんもちょっと控えめにしてたのかなっていうぐらい。でもステップになった途端、もう本当にほぼ全員が手拍子をしてくださってる、ぐらいの大きさになってたので。あ、こんなにも人がいるんだって思いながらやってました。

――練習で調子がいい時、緊張やプレッシャーで本番が崩れる姿をあまり見たことがないです。メンタルの強さ、練習で調子がいい時にそのまま本番に出る自分の強さを、どう見ていますか

坂本 今シーズンいち、今日は緊張して。やっぱり練習でいいのが続くと、やっぱそれなりに自信もついてくる代わりに、それができなかったらどうしよう、っていう思いも、ちょこっとだけ出てきてしまうので。シーズン序盤とかは、練習でできてないから、違う意味での緊張というか、最後まで持つかな、とか、そういう不安はあるんですけど、何て言うんだろうな、うーん、練習通りパーフェクトできたらいいなっていう気持ちで挑む試合は、だいたいできるようになってきたので。そこはやっぱり経験とか慣れが自分を助けてくれてるのかなって思います。

――ショートはすごく難しいプログラムですが演じ切って手応えは

坂本 このショートは「やっぱり、きついな」っていうのをずっと、常に感じてて。でも、これをやり通せたら、また新たな自分も生まれるんだろうし、こういう曲もできるんだっていう引き出しが増えるので。すごくいい経験にはなるかなと思ってます。

3月22日SPの後、メダルを見せ合う坂本(左)と三原

3月22日SPの後、メダルを見せ合う坂本(左)と三原

「やっぱりこの4年で成長できたのかな」

――いつも2回転半に行く前に「足にくる」と。今日も結構きていましたか

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。