【全日本合宿から〈下編〉】「自分の強さを」「目標の舞台」/初五輪目指す女子スケーター

フィギュアスケートの全日本シニア強化合宿「ミラノ・コルティナ五輪対策合宿」が7月3~5日、大阪・関空アイスアリーナで行われました。

男女シングルのトップ選手が集い、講師として世界選手権男子優勝4度のカート・ブラウニングさん(59)、10年グランプリ(GP)ファイナル女子優勝アリッサ・シズニーさん(38)が来日。夏の風物詩ともいえる機会で、各選手もシーズンの到来を実感する時間となったようです。

日刊スポーツ・プレミアムでは写真を交え、3週にわたって、選手の言葉をお届けします。

下編は女子で初めての五輪を目指す渡辺倫果(23=三和建装/法政大)、松生理乃(20=中京大)、吉田陽菜(はな、19=木下アカデミー)、住吉りをん(21=オリエンタルバイオ/明治大)、中井亜美(17=TOKIOインカラミ)の5人。いずれもシニアやジュニアでグランプリ(GP)ファイナルを経験してきた実力者が、五輪シーズンに懸ける思いを語りました。

フィギュア

フィギュアの五輪対策合宿公開練習で、カート・ブラウニング氏のレッスンで笑顔を見せる中井亜美(すべて撮影・藤尾明華)

フィギュアの五輪対策合宿公開練習で、カート・ブラウニング氏のレッスンで笑顔を見せる中井亜美(すべて撮影・藤尾明華)

渡辺倫果

■渡辺倫果

【SP】ロクサーヌのタンゴ(振付師=宮本賢二)※7月のみなとアクルス杯で変更を表明

【フリー】JIN―仁―(振付師=宮本賢二)

―今回のシニア合宿での学びはいかがですか

五輪シーズンの合宿ということもあって、全体的に雰囲気が締まったものになっています。自分のペースでゆっくり、しっかりやっていきたい気持ちがあります。

―今季のSPとフリーの曲名を教えてください

ショートプログラムが「Get Lost」で、振り付けはショート、フリーともに宮本賢二先生となっています。フリーは3季前に滑った「JIN」をリメークしていただいて、今シーズンはこの2つのプログラムでやっていこうと思います。

―テーマを教えてください

ショートの方は私の強みの自分の強さ(を押し出すプログラム)。すごく良いものになっているとは思うんですけど、まだテイストとしては、新しいものを今まであんまりやってこなかったものになっていますので、しっかりと自分のものにしていければいいなと思います。「JIN」はリメークということもあって、3年前よりさらに良いものになっていればいいかなと思います。

―今日の練習ではトリプルアクセルのコンビネーションジャンプにも挑戦していました

今シーズンはトリプルアクセル3本構成の予定で、4回転の習得が間に合えば、4回転サルコーもフリーの2本目に入れていこうかなと思っています。トリプルアクセルと4回転サルコーをしっかりプログラムで入れられるように、やっていければいいなと思っていますので、しっかり自分のペースで頑張っていければいいかなと思います。

―トリプルアクセルと4回転の状態はいかがですか

トリプルアクセル自体はすごく良いものになっていると思います。この夏の段階で比較的確率はすごく良いので、シーズンインには十分安定して間に合うと思います。あとは試合で降りるだけだと思います。試合での経験も大切なものになっていきますので、オフシーズンの段階でアクセルの安定はしっかりさせていきたいと思っています。その先に4回転サルコーの習得があると思うので、間に合わせられるように、しっかりやっていければ良いかなと思います。

―五輪シーズンへの意気込みを教えてください

すごく大事なシーズンになっていくと思います。自分の中でもオリンピックシーズンということもあり、自分の20年間のスケート人生の全てをささげるつもりで、今シーズンやっていきたいなと思っていますので、しっかりそれが結果としてついてくるように、自分らしく、自分のペースでしっかりやっていければいいかなと思います。

―「JIN」を再演すると決めた理由は何ですか

ノリです(笑い)。昨季のフリーを継続する予定だったんですけど、オリンピックシーズン、自分にとっても大切なシーズンを滑るにあたって、いかに自分が頑張り切れるか、見ている方々がどう感じてくださるかと考えた時に「やっぱり、もう1回『JIN』をやりたいな」という思いが芽生えて、周りに聞いたところ「『JIN』が良い」と言ってくださったので、リメークすることにしました。

―どのぐらいリメークしていますか

98%一緒です。2%だけ、前半部分をちょっとだけ10秒くらいカットした分、クライマックスが10秒分、スピン1個分長くなっている感じなので。95%くらいかな。5%だけ、ちょっと変えています。

―構成はどうしますか

構成は70%くらい一緒だと思うんですけど、そこにトリプルアクセルと4回転を入れようとしているので、それ次第ではあると思います。ほぼほぼ同じところは同じです。変わったところはスピンだけ。今まではスピンが最後だったんですけど、今シーズンはステップを最後に持ってくるようにしています。

―4回転サルコーはどこに入れますか

2本目ですかね。やっぱりアクセル―トーループを降りることが絶対条件になってきますので、アクセル―トーを降りた時に、4回転を入れる、だったりをすればいいと思っています。サルコーがない場合はアクセル―トー、アクセルの順番。このアクセルトーの成功によって、次を変えていくっていう意味で、サルコーを入れるのは2本目になるかなと思います。

―坂本花織選手と樋口新葉選手が、シーズン始まる前に今季限りでの引退を決めましたが、感じるものはありますか

おそらく引退する、しないにしても、皆さんにとって、すごく大切なシーズンになることは間違いないですし、その中で最後にするだったり、あと4年やるっていうのは、また気持ちの持ち方というのも違ってくると思いますけど、おふたりとは幼いころからもすごく仲良くしてくださって、すごく尊敬する先輩の2人でもあるので、その背中をしっかり追っていけるように、いつの日かその背中に触れるようにしていきたいです。

―冒頭にトリプルアクセルを入れる構成は変わらないですか

GPシリーズの時はアクセル1本構成にしていたと思うんですけど、今シーズンはもう2本で。ショートを含めると計3本の構成にするので、失敗しなければアクセルトーを1本目に持ってくる予定です。

―トリプルアクセルが安定してきたのは、昨季からトレーニングを変えてきたからですか

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。