【再建ワセダの箱根を追う〈5〉】動揺走った出雲の結果…方向性迷う花田、その6日後

早稲田大学競走部。東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)で13回の総合優勝を誇る名門は、OBの名ランナー花田勝彦(52)を監督に迎え、伝統を更新し、学生駅伝での栄光に挑んでいる。2011年の「大学駅伝3冠」から長く離れる箱根駅伝での優勝への改革とは-。2季目となる本年度は「-Rebuild-再建ワセダを追う」と題し、昨年度総合6位からのチームの進化を追う。第5回は3位以内を掲げて挑んだ出雲駅伝(10月9日)が6位に終わった現実にチームはどう向き合ったのか。10月15日にパリ五輪切符をかけたマラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)の一部コースで行われた東京レガシーハーフマラソンの結果がもたらした確信とは-。

陸上

 
 

出雲駅伝の成績上位


1駒澤大2時間07分51秒(新)
2創価大+1分43秒
3城西大+2分44秒
4国学院大+3分16秒
5青山学院大+3分37秒
6早稲田大+3分45秒
7中央大+4分26秒
8東洋大+4分44秒
9法政大+5分53秒
10順天堂大+6分36秒
出雲駅伝、スタートする1区の選手たち。早稲田は伊藤大志(右端)、区間4位だった

出雲駅伝、スタートする1区の選手たち。早稲田は伊藤大志(右端)、区間4位だった

1区から「上の3人」並べるも遠い駒澤

「選手たちも非常に夏の練習ができていたのもあって。調子は良くない選手もいましたけども、当初3位という目標を立ててましたので、そこに届くんじゃないかな、あわよくトップに立って、というような気持ちでいました。やってみて、そんな簡単なものじゃなかったというのを感じたレースになりました」

10月16日、出雲駅伝からちょうど1週間後のその日、花田が包み隠さない心境を教えてくれた。

指導者として初めて臨んだ出雲路は、レース直後は収穫よりも課題と反省を多く抱かせた。

「上の3人」とチーム内でも称される伊藤大志(3年)、山口智規(2年)、石塚陽士(3年)を1区から並べてトップ争いを描いたが、1区から4位、3位、6位と首位を独走する駒澤大に競ることもできなかった。

後半に配した下級生、工藤慎作(1年)は区間順位で10位、間瀬田純平(2年)は5位、長屋匡起(1年)は6位。青写真が崩れる中で耐えたが、期待の裏返しにチームも動揺する結果となった。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。