【150秒にかける青春】不登校のあなたに読んで欲しい~チアが私の人生を変えた~

学校に行きたくない-。中学生の頃、不登校は1年ほど続いた。人間関係が苦手。イジメに遭い、誰も信用できなかった。そんな頃、たまたま出会ったチアリーディングが人生を変えてくれた。不登校のあなたへ、読んで欲しい1人の少女の人生を変えたストーリー。(敬称略)

その他スポーツ

画びょう、虫の死骸、無視
学校に居場所はなかった…

「人が信用できなかったんです。

中学の時、いじめられていました。

仲良かった子に突然、裏切られて。

人間って、めっちゃ怖いな~。

もう、人と関わりたくない。

そう思って、中学2年の時に学校に行かなくなりました」

げた箱から靴を取り出すと、中に画びょうが入っていた。

靴底にも刺さっている。

朝から気分はどん底。

教室の扉を開け、机に向かう。

椅子に虫の死骸があった。

少し離れたところで、様子をうかがっている生徒たちがいる。

何がおかしいのだろう。

何でそんなに私のことを嫌うのだろう。

分からない…。

集団で無視をされ、言葉を発しなくなった。

心を完全に閉ざした。

ついたあだ名は「生きた化石」。

居場所はなく、学校に行く意味も見つからない。

学校が嫌い、人が嫌い。

誰も信用できなかった。

「心がつぶれているから、泣くことすらなかったです。

親にも相談していない。

超ネクラでした」

そんな少女がチアと出会ったのは、中学3年生の冬。

忘れもしない。

死んでいた心に、ほんの少し光が灯った瞬間を。

いじめられっ子で、ネクラで、誰とも会話もしない。

そんな不登校の生徒が、チアの魅力にのめり込み、少しずつ心を開いていく。

人生を変えた実話。

会員限定ページでは1年に及んだ不登校から、どうやって閉ざされた心を開いていったのかを描きます。

チアリーディングとの出会いが不登校だった1人の少女の人生を変えた。深い絆、信頼関係…。時間をかけて閉ざされていた心が開かれていく(※写真はイメージです)

チアリーディングとの出会いが不登校だった1人の少女の人生を変えた。深い絆、信頼関係…。時間をかけて閉ざされていた心が開かれていく(※写真はイメージです)

◆不登校 文部科学省が2023年11月に出した資料によると、令和4年度の国立、公立、私立の小中学校における不登校児童生徒数は過去最多を更新する約29万9000人にのぼる。そのうち、学校内外で相談を受けていない児童生徒数は11万4000人で、こちらも過去最多。高校における不登校生徒数は約6万人いる。同省は「高水準で推移しており、生徒指導上の喫緊の課題となっている」とし、支援充実を掲げている。

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。