【150秒にかける青春】興南が輝いた冬~沖縄の高校初のチア部、沖縄勢初の決勝進出

沖縄の高校唯一のチアリーディングチームが決勝の扉を開いた。全日本高等学校選手権大会(1月27~28日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)で興南高校「CORALS」が初の決勝進出を果たした。2019年創部で全員が初心者。帝京大学出身の監督がゼロから育てたチームが初めて見た景色だった。(敬称略)

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 3月もチアの話題盛りだくさん!

予選を突破し決勝へ
感激と34位の悔し涙

沖縄のサンゴ(CORAL)が美しく輝いた。

全員が高校からチアを始めた選手が、決勝の青マットを踏む。

そこは夢のような舞台だった。

第34回チアリーディング全日本高校選手権 自由演技競技 ディビジョン1 興南=2024年1月28日(撮影・江口和貴)

第34回チアリーディング全日本高校選手権 自由演技競技 ディビジョン1 興南=2024年1月28日(撮影・江口和貴)

ほんの少しだけ不器用で、ちょっぴり粗削りなところもあったかも知れない。

大観衆に背中を押され、選手たちは躍動する。

ひたむきさ-。そこから醸し出される感動。

3人のトップが宙を舞い、中央の選手のジャンプは高さがあった。

統一感を出そうと集中している様子がうかがえるアームモーション。そしてダンス。

まばゆいばかりのスポットライトを浴び、練習の成果を見せつけた。

これが「CORALS」の輝き。

初めて挑んだ自由演技競技ディビジョン1の決勝。

結果は順位対象となった35チーム中34位だった。

沖縄のチームが刻んだ確かな「1歩」。

舞台裏に引きあげると、選手たちは泣いていた。

なぜだろう。いつまでも、いつまでも…。

涙が止まらない。

その胸の内を聞いてみたくなった。

それが、この記事を描く取材の始まりだった。

会員限定ページにはディビジョン2も含め写真をたくさん掲載!

【全日本高校選手権大会】

〈自由演技競技ディビジョン1 最終成績〉

1位箕面自由学園、2位梅花、3位目白研心、4位如水館、5位東京高、6位千葉明徳、7位愛工大名電、8位大産大付、9位横浜女学院、10位広尾学園、11位神奈川県立茅ケ崎高、12位福岡大大濠、13位成立学園、14位神奈川県立住吉高、15位広島県立瀬戸内高、16位日大高、17位法政第二、18位日大習志野、19位都立雪谷高、20位法政大高、21位国士舘高、22位恵泉女学園、23位相模女子大高、24位清林館、25位札幌旭丘高、26位駒沢大高、27位流通経大柏、28位日本女子大付、29位静岡北高、30位大阪学院高、31位神奈川県立生田東・百合丘高、32位女子聖学院、33位都立新宿高、34位興南、35位富山商 審査対象外=中京大学附属中京(怪我による演技中断)

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。