未来の愛知支部を担う篤哉(あつや)、翔(かける)、滉(ひかる)の「前田3兄弟」に注目している。

前田篤哉(2020年4月4日撮影)
前田篤哉(2020年4月4日撮影)

長男の篤哉は20年最優秀新人に選ばれた。ペラ調整を全くやらず、どんなエンジンでも乗りこなして結果を出した。自分のスタイルを貫き、弟たちにその背中を見せる。

前田滉(2020年1月20日撮影)
前田滉(2020年1月20日撮影)

そんな兄を、双子の弟たちが追いかける。前田ツインズの弟・滉は昨年10月江戸川で優勝。「兄(篤哉)から教えてもらうことはない。兄より自分の方がペラ調整はうまい」と少しビッグマウス。プロとして魅力たっぷりだ。

前田翔(2020年3月5日撮影)
前田翔(2020年3月5日撮影)

そして、A級に上がった兄と弟に追いつこうと、翔も奮闘する。能力の高さを2月浜名湖で感じた。前検では直線が弱く、ペラの形も特殊だった。「こういうペラは思い切りたたくか、全くたたかずに乗るか」と分析。後者を選択しながら、ギアケース調整などでパワーアップさせ、準優1枠を勝ち取った。

だが、準優では中へこみの隊形となり、3着で優出を逃した。「最終日に向けて気持ちを切り替えないといけないが、なかなか難しい」。かなり落ち込んだ。

どんな一流選手でも、挫折を知らない選手はいない。最終日10R選抜戦で逃げ切ったのは、精神的な強さも持ち合わせている証拠だろう。これからも前田3兄弟の成長を注目したい。