21年上半期も、新型コロナウイルスが猛威を振るった。競輪界では今年1月に和歌山G3でクラスターが発生。競輪選手の感染は昨年7月26日に初めて陽性が判明してから、今年6月25日で150人を超えた。男女含めて2400人前後で感染割合は約6・5%。けがなどで欠場している選手もおり、実際はもう少し高いかもしれない。日本全体の感染割合が0・6~0・7%程度ということを考えれば、約10倍の感染率だ。

和歌山のクラスターを教訓として、開催ごとに参加全選手が事前にPCR検査を受けている。陰性ならレースに参加でき、2月17日以降は追加や流用、補充のあっせんは行わない形で開催。陽性なら保健所の指導に基づき適切に対応。競輪場でのクラスター、感染者は皆無に等しくなった。

ただ先日、競輪選手による深夜の飲酒会合がニュースとして取り上げられた。緊急事態宣言下で疑念の目が向けられたのも事実。だが、大半の選手は我慢を重ねてレースに臨む。感染割合の高さは出走のたびに行う頻繁な検査こそが最大の理由だ。取材する記者も競輪場で何度も抗原検査を受けており、JKAもこまめに陽性者を発表。他の公営競技と比べても可視化は進んでいる。

ただその分、欠車やレースカットが発生し、その方法に賛否あるのも事実。それでも選手のあっせんと開催、売り上げを維持してきた点は評価できる。今後はワクチン接種により対応も変化していくはず。競輪が本来の開催に戻る日まで、もう少しの辛抱だ。