久しぶりにオールスターらしいオールスターになりそうだ。

先日、出場メンバーが発表され、菅章哉、高田ひかる、実森美祐、藤山翔大、倉持莉々、山崎郡、村松修二、前本泰和、秦英悟、上平真二、大上卓人の11人が今大会初出場を決めた。

19年のオールスターで初出場は6人、20年は7人、昨年は佐藤翼、坂口周、興津藍のわずかに3人だったから、一気に新しい風が吹き込んだ印象だ。


“まくり姫”と呼ばれて人気を集める高田ひかる(2022年2月26日)
“まくり姫”と呼ばれて人気を集める高田ひかる(2022年2月26日)

藤山は伸び型のペラを武器に昨年は7度の優勝と、大きな飛躍を遂げた。菅もチルト3度を駆使する攻撃的な走りで旋風を巻き起こした。高田も藤山ら同様、伸びを生かした強気な走りで“まくり姫”のニックネームを持つなど、ファンの支持は絶大だ。今のボート界のトレンドが、如実に投票に反映された。

地元勢から多くの選手が選ばれたのも象徴的だ。上平は「最初は選ばれてうれしかったけど、まだ2カ月もあるのに今から緊張しています(笑い)。穴を出せるように頑張ります」と気持ちを強くする。実力はもちろん大事だが、地元への思いは何よりのモチベーションであり、質の高いパフォーマンスにもつながる。

賛否はあるだろうが、個人的にはすごくオールスターを楽しみにしている。SGにいろいろな個性がある方が、違った角度からレースを楽しめ、新しいヒーロー誕生の呼び水となる。

ちなみに今日開幕するクラシックには今大会初出場が15人、そのうちSG初出場が7人。峰竜太の不在はさびしいが、確実に新しい芽が育っている。今年のSG戦線をターニングポイントに、ボート界の勢力図が大きく変化する可能性もありそうだ。