福岡の133期の新人・安河内鈴之介が峰竜太軍団仕込みのレースで、3月芦屋3日目にデビュー初勝利を挙げた。

「まずは(末永)和也さんに報告したい」と、初めに出てきたのは佐賀支部の師匠の名前だった。「和也さんは元々、姉の知り合いで、ボートを知ったのも和也さんのおかげです。B1の頃から見ていて、あんな風に成長したいと憧れました。それでも実家のある福岡にしたくて、和也さんからも勧めてもらえました」。


安河内鈴之介(2023年3月13日撮影)
安河内鈴之介(2023年3月13日撮影)

本来憧れの選手と同支部にすることはあっても、師匠と他支部を選ぶことは珍しい。

例外を作るにあたって、先輩レーサーの懐の深さがあった。「支部長の川上(剛)さんに相談したら許可をいただけました。他の選手からもなんで、って言われることはあっても悪く言われることはなかったです」。

当然、ピットでは福岡支部の最若手として雑用をこなし、練習でもいろいろなところに顔を出した。「芦屋は練習でもお世話になったところだったので(初勝利は)うれしい」と水面に対する思い入れも地元選手のものだ。

その上で師匠の指導を仰いでいる。「和也さんに調整を教えてもらったり、この前からつに行ったときは峰さんにも教えてもらったりもしました」。

養成所時代から原田富士男教官に太鼓判を押されたターン力。全国屈指の勢いを誇る峰軍団で技術を磨き、競争激しい福岡支部で鍛えればレーサーとして大成する日も近いだろう。