女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は、刑部亜里紗(おさかべ・ありさ、24=静岡)を紹介する。柔道3段の猛者で得意技は背負い投げ。「男子相手にも勝ちたい」の熱い思いを背負って、水上の格闘技でも鮮やかな一本勝ちを狙う。

大学まで続けた柔道は3段の黒帯(本人提供)
大学まで続けた柔道は3段の黒帯(本人提供)

-大学まで柔道一直線

刑部亜里紗(以下刑部) 祖父、父が柔道家で、小学校2年生の時に道場に連れられて始めました。飽きっぽい性格だったのに不思議と柔道だけは続けられましたね。特に高校では部活動にのめり込みました。実は顧問の先生にレスリングも薦められて高校2年生の時には全国大会にも出ました。

高校時代の柔道仲間。前列右から2人目が私
高校時代の柔道仲間。前列右から2人目が私

-ボートレースとの出会いは

刑部 知り合いの知り合いにボートレーサーがいて大学4回生の時に近くの浜名湖ボートレース場に初めて行きました。それまで坪井康晴さんという方が強いボートの選手というぐらいの知識はあったぐらいで、5月のGWのレースで坪井さんと知り合いの選手も出てたので見に行きました。

-いきなり魅了された

刑部 レースで最初に回る1マークの近くで見てたんですけど、その音、スピード、迫力に圧倒されました。自分も選手になりたいと、その時思いました。柔道をやっていたこともあって高校の体育の教員免許も持っていたし、学校の教師になるつもりだったんです。

-両親の反対は

刑部 最初は反対されたけど、1回だけ頑張って、駄目なら先生になると説得して受験しました。柔道家として人に教えるよりも、自分で実践することの方に興味がまだあったんです。何とか一発で合格できて良かったです。

コロナ禍で大学の卒業式がが中止。着るはずだった和装で記念撮影
コロナ禍で大学の卒業式がが中止。着るはずだった和装で記念撮影

-レーサー養成所時代の苦労は

刑部 体力には自信があったので、そこでしんどいと思ったことはなかったですね。でもみんな操縦がうまくて、付いていくのが大変でした。1回リーグ戦で優勝できたのがうれしかったですね。6コースという一番不利なコースで勝てたのは自信になりました。

-昨年11月に浜名湖でデビュー

刑部 チャンスがあればデビュー節の初勝利も狙っていたんです。全く自分がイメージしていたレースはできませんでした。でも経験を積んで3年以内にA級選手(ボート選手の一番上のカテゴリー)に上がるのは自分の中で決めてます。

-オフの過ごし方は

刑部 コロナ禍であまり外には出かけられないので、近場の海に行って釣りや景観を楽しんでます。家では愛犬の愛凜(まりん)ちゃんに癒やされてます。

家では愛犬・愛凜(まりん)に癒やされる
家では愛犬・愛凜(まりん)に癒やされる

-最後にボートレースの魅力とは

刑部 男女の区別も体重も関係なく同じ舞台で互角に戦えることですね。柔道の世界ではありえないですからね。それとレースの迫力。ぜひレース場に足を運んで、その魅力を知って欲しいですね。

※次回は2月8日更新予定

◆刑部亜里紗(おさかべ・ありさ)1997年(平9)5月9日、浜松市生まれ。愛知学院大学を卒業後に129期として浜名湖でデビュー。155センチ、48キロ、血液型B。