21年ボート界の総決算、SG第36回グランプリ・グランプリシリーズが、14日に大阪・住之江ボートで幕を開ける。今年の話題は40歳マスターズ世代の復活。直前コラムの第1回目は、東都のエース浜野谷憲吾(48=東京)。GPは3年ぶりの参戦。賞金ランク3位と突っ走った21年の勢いそのままに、悲願のGP制覇を成し遂げる。

<注目選手(上)>

今年の浜野谷憲吾は、かつての輝きを完全に取り戻した。3月にからつで全国24場制覇を達成すると、4月のG1大村ダイヤモンドカップを優勝、7月に芦屋オーシャンカップを逃げ切って、約14年4カ月ぶりのSG優勝を遂げた。そして、ほぼ予選落ちなく1年を乗り切った。

ここ数年、「水上のファンタジスタ」と称された華麗なスピードターンが鳴りを潜め、成績も上がらなかった。しかし、若手のターンを取り入れるなど、自らのターンを磨き直し、48歳にして若き全盛時をしのぐスピード、切れ味を見せている。

グランプリには人一倍、思い入れがある。02、10年と2度、ファイナル1枠を手中にするも、スタート遅れでまくられ大敗。頂点を目前にしながら、2度も苦杯をなめた。「グランプリを取れれば、選手をやめてもいい」。以前、浜野谷が話した言葉だ。東都のエースは、最高の気合で住之江に乗り込む。【中川純】

◆浜野谷憲吾(はまのや・けんご)1973年(昭48)11月8日、東京・目黒区生まれ。92年5月、ボート70期生として平和島でデビュー、2走目に初勝利。93年9月の戸田一般戦で初優勝。SGは98年福岡ダービーで初制覇、07年平和島クラシックなど5度優勝。169センチ、52キロ。血液型A。

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