【窪寺伸行・オレに任せろ】

 ◆12R 話題の将棋になぞらえると、ボート予想に「長考」できる時間はあまりない。それが許されるのは事前に番組の分かるSGドリーム戦ぐらい。エンジン抽選前とはいえ、違った視点で戦局は想像できる。そこで魅力を感じたのは、菊地孝平の夏実績と桐生順平の近況ドリーム戦績。結果的に第1手は菊地に決断した。

 菊地の夏実績はとにかくすごい。SG5冠のうち、オーシャン&メモリアルと夏に3冠。近年の7月勝率も目を見張る数字だ。「調整にこれってものはないですよ。でも、たまたま合うのかも。高勝率? いいこと聞きました(笑い)」。元高校球児で夏(8月)生まれ。自然と天運、機運の上がる季節なのだろう。「自称・夏男」と笑うが、もう「自称」は除いていい。

 抽選後は桐生断然か、と思ったが、前回換わったペラとギアケースが響き、大幅なパワーダウンの懸念がある。逆に菊地は「これだけの感覚があれば点検程度。鳴門(グラチャン)のドリームで負けたので、しっかり逃げたい」とムードがいい。24号機の複勝率31・5%は度外視できる。前検では、菊地激走のバロメーターであるスタートも決まった。勝つ条件は整った。

 相手は絞る。その筆頭は前検タイムの良かった井口佳典。気配不安な桐生の上をまくり差して続く。3番手は地の利ある森高一真を絡める。(1)(3)(4)、(1)(4)(3)が勝負券。(1)(3)(2)、(1)(3)(6)を少々押さえる。