2月のボートレースは地区選祭り。各地区の看板レーサーたちが腕を競う。地元ファンの方もそうだろうが、記者もなじみのある選手ばかり。おかげで取材もはかどった? 

G1出場が減ったベテランや、一般戦が主戦場の選手の活躍が見られるのも地区選の楽しみの1つ。今回は田頭実、石川真二、深川真二がそろって参戦。コースを取りに動く同型タイプの3人。それがそろうのも、なかなかない機会だ。


佐賀の大将・深川真二を中心に何の作戦会議?
佐賀の大将・深川真二を中心に何の作戦会議?

他のベテランでは、平田忠則は「5節くらい前から使い始めた」という中辻崇人のセッティングで、伸び系に挑戦中。予選敗退も、「それなりにエンジンを出せたのは自信になった」と手応えをつかんでいた。


平田忠則は伸び仕上げで復活を目指す
平田忠則は伸び仕上げで復活を目指す

若手では仲谷颯仁、新開航が優勝戦へ。仲谷は21年多摩川ヤングダービー以来のG1優出。準優1枠をつかんだ際には「ついてる~」。珍しくおどけたのが印象的だった。

新開は芦屋でデビュー節に初1着を挙げ、18年1月にデビュー初優勝。どちらも6枠から。またミラクルを起こす? には、「そうっすね。何かあるかも。でも、いつも通りいきます」とにやり。優勝戦は大外から3着に奮闘した。


新開航
新開航
仲谷颯仁は久々のG1優出と躍動した
仲谷颯仁は久々のG1優出と躍動した

その一方で、苦戦した選手も。芦屋での地区選は19年以来。その時の覇者・桑原悠は予選で姿を消した。「2節くらい前から良くない。とにかく乗れないんですよ」とこぼした。


前回芦屋大会の覇者・桑原悠は無念の予選敗退
前回芦屋大会の覇者・桑原悠は無念の予選敗退

宮地元輝も同じく予選敗退。最近は「絶不調」。ただ、粘り強く調整を続けて、シリーズ終盤には「復調気配ですね」とも。この先に期待したい。

いろいろあったが、結局は峰竜太のシリーズだった。エース格のエンジンを超抜に仕上げ、優勝戦も圧勝で締めくくった。G1初優勝が09年芦屋の九州地区選。その時は「緊張して眠れなかった。レース前も緊張していて、上滝(和則)さんにビンタされた。今回は落ち着いていたし、経験ってでかい」と振り返った。

1月の浜名湖に続くG1連続優勝。いい流れでSG戦線へ、「最前線でやれるのもあと数年だと思う。その間はトップを目指していきたい」。今年もスーパースターが盛り上げる。


表彰式で峰竜太はお決まりのアロハボーズ
表彰式で峰竜太はお決まりのアロハボーズ
峰竜太は表彰式でもガオー
峰竜太は表彰式でもガオー
前検から最終日まで、峰竜太のシリーズだった
前検から最終日まで、峰竜太のシリーズだった

優勝したのは峰。しかし、大会MVPを選ぶなら西山貴浩ではないか。初日ドリームはまくり差しで峰に迫り、予選トップの座も争い独壇場にはしなかったし、峰は「ツケマイだけ警戒していた」。優勝戦で最も意識していたのは西山だった。「菅(章哉)の伸びに石川(真二)さんの出足。どうにもならん」。完全な機力劣勢な中でも、最後まで食い下がった。


西山貴浩(左)は最後まで峰竜太に食らいついた(右は岡崎恭裕)
西山貴浩(左)は最後まで峰竜太に食らいついた(右は岡崎恭裕)
レース後の渡辺優美(左)と話す西山貴浩(右)
レース後の渡辺優美(左)と話す西山貴浩(右)

「食中毒にならんかな。でも、生もの食べんのよね~」とジョークを飛ばし、「何で同じ世代におるんやろうか。20年早く生まれてくれたら良かったのに」ともぼやいた。しゃべりでも、走りでも存在感を示した。峰VS西山。この先のSGやG1でも、バチバチの争いを見せてもらいたい。