ボートレースは屋外で行われる競技。それだけにコンディションにレースや調整などが左右される。もちろん開催も。ここ最近はグレードレースが悪天候の影響を受けている。3月は江戸川G1は5日目、戸田のSGクラシックは予選最終日の4日目が、荒天のため7R以降が中止になった。取材に行った、からつダイヤモンドCでも強風による荒天のため、3日目の7R以降が中止になった。

茅原悠紀はからつダイヤモンドCで今年2度目のG1優出を果たした
茅原悠紀はからつダイヤモンドCで今年2度目のG1優出を果たした

そのからつダイヤモンドCで、「天候にイライラしていた」と話したのは茅原悠紀(36=岡山)。江戸川は準優が行われず優出を逃し、戸田、からつは予選の1枠がなくなった。「2節続けて1枠が飛んでしまいましたからね。江戸川も準優がなかったし。それで稼ぎも違ってきますから」。年間で見れば出走回数がほんの少し減っただけ。ただ、それがグランプリに向けた賞金争いに影響する可能性もある。年末になって、あの中止がなければ、なんてことがあるかもしれない。「自分の力ではどうしようもないことだけど」。受け入れてはいてもモヤモヤはするだろう。

茅原悠紀は準優で馬場貴也を競り落として優出
茅原悠紀は準優で馬場貴也を競り落として優出

準優は道中3番手から前を走る馬場貴也を激しく追った。3周1Mで内に切り返すと、これがはまって逆転の2着。「悪い流れを断ち切りたかった」。気迫のこもった走りで、優出をもぎ取った。メンバー6人のうち、5人がSG優勝経験者で、4人がグランプリ覇者という構成。「グランプリみたいなメンバーだったし、グランプリと思っていった」。まさにガチンコバトル。「メンバーがいい方が走っていても楽しい」と話していたが、見ている方も同じだ。トップレーサー同士の競り合いはおもしろい。

レース後に辻栄蔵(左)と話す茅原悠紀(右)
レース後に辻栄蔵(左)と話す茅原悠紀(右)

優勝戦は5コースから4着。まくり差しは入り切れず、今年G1初Vとはいかなかった。それでも自らの手で流れは変えた。4月は地元児島のG1からスタートする。年度も変わって仕切り直し。地元周年初制覇で、この先続くSG戦線にも弾みをつけるか。不運だった、では終わらせない。【栗原ひろ人】