児島ボート
児島ボート

児島ボートは奇跡が起きるレース場だ。9日まで開催されていたG1児島キングカップで、そう感じさせる出来事がいくつかあった。それは選手の活躍だけでなく我々、報道陣にも。今回は沸きに沸いた児島G1の裏話をご紹介したい。

奇跡(1) 9日のG1児島キングカップ12R優勝戦は菊地孝平(45=静岡)が3コースからまくって、G116度目の優勝を手にした。静岡支部所属ながら、今回が児島周年3度目の優勝。まさに“児島に愛された男”である。

菊地に恵みを与えた児島の神様は今節ご機嫌だったのか、選手以外にもほほ笑みかけてくれた。

奇跡(2) 当地で直前予想を担当する高田記者は、特訓気配や展示などの情報や予想を専用サイトで公開している。今回、その高田記者が節間を通しての回収率145%という驚異的な数字をたたき出した。「うまく予想がはまった」と安堵(あんど)の表情を見せていた同記者。記者冥利(みょうり)に尽きる6日間だと思う。回収率を聞いた児島ボートの施行者の皆さんも歓喜し、横で見ていた当方すら喜びに浸った。

奇跡(3) 児島ボート自体にも奇跡が起きた。節間にフライングが計3レースで起こり、今節返還総額は3億2745万1500円にのぼった。5日目の準優12Rでは3艇がフライング。桐生順平、守屋美穂らが散った。優勝戦は、やや寂しいメンバーになったが、それでも総売上72億6273万3900円で、目標の67億円を上回った。多くのファンに支えられ、無事に目標を達成した。

当方も過去に何度か児島ボートに助けられている。ここでは、手応えのある仕事をたくさんさせてもらった。中でも思い出すのが、22年3月21日に執筆した「SG制覇目指す遠藤エミに、児島参戦の女子レーサーから応援メッセージ『優勝して!』/大村SG」というネット用記事。当地参戦中だった女子選手らから遠藤への応援メッセージをもらい、それを記事にした。話してくれた選手たちはもちろん、児島ボートのおかげで記事にできたという側面もあった。

児島ボートに愛されると誰もが恩恵を受ける(?)のかもしれない。仕事を通じて縁が深まり、今度は私たちが当地を愛し、支える番だと実感した。これからも当地が盛り上がるように、微力ながら貢献していきたい。【前原一樹】