諸橋愛(41=新潟)が、涙の地元G3連覇を決めた。鈴木竜士の先行する好展開をつかんだ。なお6Rのブロックセブンは松岡孔明が制した。

 表彰式を待つ間、涙が止まらない。「苦しかった」。何度も繰り返した。地元初Vで流した昨年の涙とは違う。SS戦士として不振にあえいだ日々が脳裏をよぎった。「家では何度も『赤いパンツを脱ぎたい』って言っていました。競輪は好きなのに競走に行きたくなかった」。今年すでに3度も落車。SS班として気合が空転していた。ただ、信じられたのは己自身だった。「コンディションが上がれば、必ず戦えると思っていた」。手応えありで迎えた地元で、その言葉を証明した。次戦はいわき平オールスター。初のG1奪取へ、諸橋の逆襲が始まる。【山本幸史】