【ヤマコウの時は来た!】

 ◆11R:ヤンググランプリ 4代目女王に小林優香が輝いた。勝因は展開を待たずに仕掛けたこと。昨年、悔し涙を流した教訓を生かした。今日はヤンググランプリだ。単騎の選手や細切れ戦が常でレースが読みづらいが、野原雅也を本命に推す。

 デビュー以来、がむしゃらに先行してきたが、今回は狙う競走をしていいと思う。近くに脇本雄太という先輩の影響を受けて、レーススタイルを確立していった。近畿で育ったアドバンテージや、父哲也さん(55、51期=引退)から譲り受けた血筋も関係あるかもしれない。それでも、自分の意志をしっかり持たないと、競輪選手としては大成しない。まだそこまでいったわけではないが、着実にステップアップしている。

 「点数上位の選手が相手なら先行基本に考える。自分が本線だったら受けて立つ」。この言葉の持つ意味は深い。競輪は、必ずしもバックの数で先行選手として認められるわけではない。「タイミングが来たら仕掛ける」では成長はないと思う。

 「YGPチャンプの称号が欲しいわけではない。ただ勝ちたいだけ」という雅也に勝利の女神がほほ笑むとみた。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)