1日早く展開が思い浮かぶかも!? GPが30日に迫り、立川競輪で実況を担当する加奈山翔氏(27)を口説いて、架空実況にチャレンジしてもらった。果たしてレースの行方は? なお、同アナこん身の実況シーンは動画でも楽しめます。

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新時代の幕開けとともに競輪界の勢力図も大きく変わりました。立川競輪場での20回目の競輪GP2019。栄えある9人が登場です。すべてはこの日、この時のため。今年のGPはこの9名によって、火花を散らすことになります。

いよいよ終盤戦へと入ります。脇本雄太、村上博幸、近畿勢が動いていきました。残り2周回。中国勢。清水裕友、松浦悠士。車を下げていきました。福島勢。中団へと追い上げて…新田祐大!? 中団です! 

平原康多、郡司浩平は動かずの後方。しかし、清水裕友がすかさず中団を確保しにいき、残り1周半。さあ打鐘です!

今年も果敢に飛ばす、3番脇本雄太。追走は9番の村上博幸。今年は兄の背中を見ることができなかったこの村上博幸が、再びこの立川で輝くべく、足をためています。前団は近畿勢。さあ中団位置から、清水裕友がやってくる。11月の競輪祭を沸かせに沸かせた中国勢が、絶好の展開をつくるか。しかしこの間に、一気に平原康多が悲願のGP制覇へ踏んでくる。連れて郡司浩平。中川誠一郎も内めをさばいてくる。後方にいた福島勢、新田祐大の強烈なまくり! 13年ぶりのGP決戦佐藤慎太郎も追い込んで…。

直線コース! ここで先頭は村上博幸か。外から清水がねじ伏せる。さらに松浦悠士! 今日もこの2人か? 並んでゴールイン! 清水裕友か松浦悠士か! そして最後は、中川誠一郎がインコースさばいてきまして、この争いに加わって、大外は8番の平原と6番の郡司。横に広がっての混戦。中でも中国勢、松浦か清水か-。

新時代の王者、君臨したのはどの選手でしょうか-。

◆加奈山翔(かなやま・しょう)1992年(平4)2月28日、東京都生まれ。江戸川大卒。8歳の時に中山競馬場でアグネスタキオンを見て、レース実況に興味を持つ。一般企業で働きながら養成講座に通い、18年4月12日に立川で実況デビュー。VOICE TRUST所属。

○…加奈山アナは「主役はもちろん選手ですし、レースを超える実況はない。1つ1つ、大事にしゃべっていきたい」と言う。実況室はホームスタンド最上部にある。バンク全体が見渡せる、わずか6畳ほどの小部屋だ。夏冬を問わず窓は全開。モニターは見ず、立ったまま、肉眼と肌で感じたレースを伝えている。今回の架空実況についてはプロでも「難しい」と苦笑い。それでも、過去のレースタイムに合わせての実況を耳にして、レースシーンが鮮やかに目に浮かんできた。