親子と兄弟、そして師弟。絆の強い3組のペアが平塚F1ナイターを盛り上げている。

引退セレモニーに臨んだ関根幸夫氏(右)が健太郎とともにファンの声援に応える
引退セレモニーに臨んだ関根幸夫氏(右)が健太郎とともにファンの声援に応える

 親子とは5月に引退した関根幸夫氏(50)と、健太郎選手。幸夫氏は巧みなペース逃げで、G1高松宮杯の決勝進出や通算387勝と活躍した。初日に場内ステージで行われた引退セレモニーでは「ケガや病気で戦えない体になった。もちろん、楽しい思い出が多く、それもファンの声援のおかげ」と話していると、ステージの裏から健太郎が現れるサプライズ。幸夫氏が「自分ができなかった記念Vを健太郎に託す」と話すと、ファンから「頑張れ、健太郎」と声援が送られた。

兄弟参戦の近藤隆司(左)と夏樹がガッツポーズで気合を示す(写真は前検日)
兄弟参戦の近藤隆司(左)と夏樹がガッツポーズで気合を示す(写真は前検日)

 関根親子のバンク競演はもう見られないが、バンク内ではまだまだ多くの「絆」が戦いをドラマチックにしてくれる。兄弟参戦の近藤隆司、夏樹がそれぞれS級、A級で奮闘。兄弟参戦はともに決勝進出した前場所の川崎から続く。初日は夏樹が1着だが、隆司は不発だった。隆司はそれでもすぐに気を取り直して「夏樹と同じ職業でうれしい。弟がいるから俺も頑張れる。一緒の開催はいい走りができるし、準決こそ勝ちたい」と話した。

佐賀の師弟コンビがおそろいのジャージーを着て検車入り。ともに好相性の平塚バンクで存在感を見せる(写真は前検日)
佐賀の師弟コンビがおそろいのジャージーを着て検車入り。ともに好相性の平塚バンクで存在感を見せる(写真は前検日)

 佐賀師弟コンビの原司と荒井崇博は平塚バンクが大好きだ。原は平塚で07年5月に、弟子の荒井マークからG3初制覇を決めた。その荒井は5月の日本選手権で上がり10秒4のバンクレコードを樹立。2人とも初日は精彩を欠いたが、原が「予選は展開が悪くて仕方ない。また次だね」と話せば、荒井は「まくってやろうかと思ったし、感じはいい」と強気だった。【野島成浩】