ガールズケイリンに夏から導入されている新ホイール。中央には、選手ジャージーにもあしらわれた桜の花柄シールが貼られてある
ガールズケイリンに夏から導入されている新ホイール。中央には、選手ジャージーにもあしらわれた桜の花柄シールが貼られてある

ガールズケイリンに新たな後輪のディスクホイールが採用され、主にビッグレースから導入が始まった。

カーボン面の中央には、選手ジャージーと同様に桜の花びらがあしらわれ、大和なでしこの戦いを一層盛り上げている。今回は、この新ホイールを取り上げる。

製造は大阪市に本社がある新家(あらや)工業が手掛けた。同社は競輪に使用するリムを製造しているほか、ナショナルチームやケイリンエボリューションにも製品を供給している実績がある。

そのノウハウが注がれた新ホイールは軽さが最大の特長だ。総重量は1110グラムで、従来使われているアメリカやイタリア製に比べて、それぞれ90、190グラム軽い。

伊東ガールズドリームトーナメントの検車場。新ホイールはレース以外ではカバーに収納され、検車場の天井よりつり下げられていた
伊東ガールズドリームトーナメントの検車場。新ホイールはレース以外ではカバーに収納され、検車場の天井よりつり下げられていた

競輪を統括するJKAは、「新ホイールは国際大会で使われている物に近い。今後も使用を増やしたい」と構想を明かす。

選手間の評価はどうか? これまで、いわき平ガールズドリームレースや伊東ガールズドリームトーナメントなどで使用され、いわき平は児玉碧衣、伊東では石井寛子が優勝した。

石井は数々の国際大会に出た経験を踏まえて「競技大会は屋内ドームの戦いだったから、感じが同じか比べられない。でも、ちょっと違う気がする」と前置きした上で、「軽くてスピードが乗り、いい上がりタイムが出そう。碧衣ちゃんや(梅川)風子みたいなタイプに向いているかもしれない。ただ、バックを踏むのが難しいし、踏み込む前に脚力を消耗する。風が吹くと、よけいにそうなる」と分析した。

石井寛子選手が大好きな白色の新型ディスクホイールを持つ
石井寛子選手が大好きな白色の新型ディスクホイールを持つ

伊東決勝で児玉との際どいゴール前勝負を制し、ガールズ最多Vを73に伸ばした女王のコメントからは『新ホイールは先行有利、位置取りが大事なまくりタイプは不利』のニュアンスがくみ取れた。

ガールズケイリンの選手紹介で、この花柄のホイールに気付いたら? 車券戦術は、先行有利と考えてみたい。

【野島成浩】