梅雨明けして連日うなるような暑さの中で開催された西武園G3。関東の今後を担う113期の森田優弥と小林泰正だが、準決では明暗が分かれた。小林は準決で先行こそできなかったが、豪快にまくると番手佐藤慎太郎の追撃を振り切った。
「自分の力というより立ち回りですね。展開が向きました。でも主導権が取れなかったのは悔しい。決勝は平原さん(康多)が任せてくださったので主導権を取れるように。勝つというより自分の力を出し切れるように。そうやっていると自分にもいつか順番が回ってくると思う」と準決後にコメント。
決勝では無念の落車となったが、今後さらなる期待がかかる。そして順番が来ればG3を制する力は備わっている。
一方の森田は初めての地元G3で悔しさを味わった。準決で7月大垣G3準決に続いて平原康多の前を回った。平原の1着には貢献したが、8着に沈んでそろっての決勝進出はならなかった。
「やることはやったけどオーバーペースで末足を欠きました。平原さんと決勝で並びたかったけど、まだ早いってことですね。泰正さんとはタイプも違うと思うし、僕は先行でやっていく。課題である末足を磨くためにも乗り込みとスピードを今後も続けていく」。
競輪学校(現競輪選手養成所)の在校成績こそ53位と下位に甘んじたが、デビューしてからは成長一途。それだけに大垣、西武園と続いたG3準決という壁も、経験を糧にすぐに乗り越えるはずだ。
そしてもう1人。最終日のブロックセブンで優勝した地元埼玉の黒沢征治も平原との連係を心待ちにする。
「今回、泰正が決勝で平原さんの前で走る。自分はまだないのでうらやましいし、経験したい」。
ブロックセブンでは勝つだけでなく突っ張り先行で魅了した。来月の青森G3、そして松阪G2共同通信社杯で平原との連係を目標にする。
ここに113期埼玉3羽ガラスのもう1人、植原琢也を加えた4人で切磋琢磨(せっさたくま)して成長を続ける。【中野公博】