中川誠一郎(44=熊本)の「通算500勝記念祝賀会」がファン、関係者ら270人を集めて29日、熊本市内のホテルで開かれた。4月29日の久留米G3「大阪・関西万博協賛競輪」3日目に、通算47人目(男子では44人目)となる通算500勝を達成した。

開会に先立ち、大西一史熊本市長が「7年前の熊本地震で被災して、競輪場復活は難しいと思っていた。多くの皆さまのおかげで、何とか復興ができることになりました。来年は復活した熊本競輪場で中川選手の勇姿が見たい」と祝辞を述べた。

中川誠一郎はジョークを交えて喜びのあいさつ
中川誠一郎はジョークを交えて喜びのあいさつ
鏡開きをする中川誠一郎(右から3人目、同2人目は大西一史熊本市長)
鏡開きをする中川誠一郎(右から3人目、同2人目は大西一史熊本市長)

そして主役、中川の登場だ。「(500勝は)今日は残念ながら来ていない緒方将樹君の見事なカマシ不発に乗って差し切らせてもらいました」と場内の笑いを誘った。「次の熊本を走れるまで、そこに向けて、しっかりトレーニングしていくしかない。足は落ちているけど、そこまでが次の目標。やっと走れるので」と今後の目標を口にした。来年度には、いよいよ熊本競輪が再開される。待ちわびた地元戦に向けて、ここから努力を積み重ねる。

最後に競輪選手会熊本支部の西島貢司支部長が「熊本競輪場は来年からの開催が決まっている。そこで中川選手には1着を量産してもらいたい」と力強くエールを送り、和やかなムードで祝賀会は終了した。

翌日には熊本市経済観光局スポーツ・イベント部競輪事務所の西真一郎所長と西島支部長に現在工事中の熊本競輪場を案内していただいた。

バンクの形状がイメージできるほどまで土台が出来上がっている
バンクの形状がイメージできるほどまで土台が出来上がっている
改修中のホームスタンド3階には特別観覧席が設けられる
改修中のホームスタンド3階には特別観覧席が設けられる

400走路として生まれ変わるバンクは土台部分が完成し、もうすぐ舗装工事に取りかかる。改修中のホームスタンド3階には新たに特別観覧席が設けられ、取り壊されたバックスタンド跡には競技練習棟が完成していた。

完成予定図を手にする西真一郎所長
完成予定図を手にする西真一郎所長

西所長は「来年の6月に全ての準備を終えたい。再開後は愛される施設を目指す。競輪をする、見に来る人だけじゃなく、いろんな人が集まる場所になれば」と話した。109期の瓜生崇智から、熊本の若手は地元バンクを走れていない。地震から8年越しに再開される熊本競輪が今から待ち遠しい。  【音無剛】